国公立大学のAO入試を受ける高校生へ 試験内容と今後の流れ

「第一志望の国公立大学にどうしても行きたいです。だからAO入試を力試しで受けます」

「僕は経済的な理由で国公立の大学に行かなければならないです。AO入試で一発で決まれば経済的に負担がないないんです。」

あなたはこうお悩みではないですか?

AO入試とは、「アドミッションズ・オフィス入試」 の略で、原則学力試験を課さず、高校等での成績や面接などでその人の人柄等を評価し、合否を決める入試です。

1990年に慶應義塾大学でAO入試がはじまって以来、少しずつ日本にも浸透してきている入試方式です。国公立大学でもAO入試で受験できる大学が増えてきました。

今回は国公立大学のAO入試の実態をお伝えしていきます。

AO入試とは

では早速AO入試についてご説明していきます。

AO入試とは、それぞれの大学や学部で求める人物像(アドミッション・ポリシー)にあった学生をとるための入試です。入試科目は主に、志望理由書等が記載された「書類選考」と「面接」や「小論文」などを通して、受験生の志望動機や個性、学びへの熱意を総合的に評価します。

ところで、アドミッション・ポリシーとはそもそもなんでしょうか?

アドミッション・ポリシーとは、入学者の受け入れ方針をまとめたものです。学校の特色や教育理念を考慮した上で「どのような学生を求めているか」をまとめています。

例として、私が通っている兵庫県にある国公立大学の1つである「兵庫教育大学」のアドミッション・ポリシーの一部を例にとります。

参考:兵庫教育大学 学校教育学部 アドミッション・ポリシー(入学者の受入れに関する方針)

兵庫教育大学 学校教育学部 アドミッション・ポリシー

兵庫教育大学学校教育学部は,これからの時代に求められる学校教育を実現する社会的要請に応えるため, 求める人物像に基づいて,子どもの成長と発達についての総合的な理解と広い視野の上に,使命感・得意分野・個性を持ち,学校教育の課題に適切に対応できる実践力と人間性に優れた新人教員を養成しています。

求める人物像

  • 高等学校における教科・科目を幅広く習得し、しっかりとした基礎的な知識・技能を身につけていること
  • 知識・技能を活用して、自ら課題を発見し、その解決に向けて探求し、成果等を表現するために必要な思考力・判断力・表現力等の能力を有していること
  • 豊かな人間性を備え、コミュニケーション能力や協調性を持ち、主体性をもって多様な人々と協働する態度を有していること
  • 優れた新人教育になろうとする強い意思を持ち、意欲的に本学の教育課程に取り組むこと

などが挙げられています。

大学がまとめた「求める人物像」にあった学生がその大学に通うことで、「学校教育の課題に適切に対応できるような実践力と人間性に優れた新人教員を養成する」と記載し、大学の教育方針等がまとめられています。このように大学側がまとめたアドミッション・ポリシーでまとめられた、人物像に合致しそうな人を採用する入試がAO入試です。

※もし自分の受験予定の大学のアドミッション・ポリシーを知りたい場合は、「〇〇大学 アドミッション・ポリシー」で検索してみてください。

AO入試における試験科目・試験スケジュールについて

つぎに、AO入試における入試科目・入試スケジュールについてご説明します。

入試科目

入試科目は各大学によって違います。あくまでAO入試は各大学が掲げているアドミッション・ポリシーにあった学生を採用する入試なので、その学校のアドミッションポリシーの数だけ入試の種類があると言っても過言ではありません。

そのため、今回は入試科目として使用される科目についてご紹介します。

志望理由書

志望理由書とは、志望する大学に対して、「自分はどんな人間で(自己紹介)、どうしてその大学に行きたいのか?」書く書類です。その大学・その学部を志望する理由やきっかけ、大学でどのように勉強したいかや将来の夢などを記載します。志望理由書は多くの大学では、800字から1000字程度が多く、その中に「なぜ、●●大学の●●学部で学びたいのか?」を伝える必要があります。

そのため、「自分が将来何をしたいのか」、「大学で何を学びたいのか」という問いを考えて、自分の言葉にできることが重要です。そして、将来したいこと・大学で学びたいことに対して、受験生の過去の経験(ボランティア活動以外でも、身近な人との関わりや本やテレビでみた情報等でもよいです)が、どのように自分のしたいこととつながっているか論理的に説明することが必要です。

面接

面接では、受験生のコミュニケーションをとることで、

「受験生がアドミッション・ポリシーの生徒像に合致しているか」

「その大学・学科で学べるだけの論理的思考力・コミュニケーション力・表現力等の力があるか」

を判断します。面接官は、面接の中で、「受験生のマナー等の一般常識があるか」どうかや「敬語が使えるか」などから、受験生がどんな思いで受験しているかなども含め、見ています。

硬い表現をしてしまいましたが、面接では、志望理由書について、質問されることも多いです。そのため、志望理由書をきちんとまとめ上げることが面接の対策になるのです。また、入学してからの抱負や自分のこと(自己紹介・長所短所)なども聞かれるそうです。

小論文

小論文とは、与えられたテーマ(例えばある大学では、社会課題の1つである「子どもの貧困」についての文章を読ませ、「子どもの貧困」についての意見をとう小論文を出題していました。)に対して、自分の意見や理由を書いていくような課題です。明確な答えがないため、自分の意見とその理由が論理的に成り立っているかなど、文章構成等が問われるものが多いです。

小論文は、文章の美しさや斬新なアイデアを求めているのではなく、論理的な文章をつくり、どれだけ読み手がわかりやすいと感じるか?が重要です。そのため、入試対策として「序論」「本論」「結論」を意識して文章を組み立てて文章をスッキリさせる練習をしたり、出題されるテーマに関連しそうな時事ネタ等を日頃からニュース等でチェックしておくことが必要でしょう。

いかがだったでしょうか?

それ以外にも、「英検等の資格試験をとっておく」、「部活等の活動で大会で実績をだす」、「学校の勉強を頑張って評定平均を上げておく」ことも学校によっては評価してくれます。また、AO入試を受験する場合、国公立大学によっては、評定平均や英検等の資格を出願条件にしていることもあります。そのため、AO入試で合格するには、その大学のアドミッションポリシーを満たし、上記のことを留意する必要があるのです。

入試スケジュール

AO入試の出願は文部科学省の提案により、原則8月1日となっています。そのため、8月以降から入試がスタートします。早い大学では9月上旬から入試が始まり、入試では面接や小論文等が問われます。その後、学校によっては、体験授業を受けレポートを書くような大学、プレゼンを課す大学等様々です。合格発表は早い大学で10月中に行う大学もあります。

しかし近年国公立大学では、基礎学力の担保のため、センター試験を課し、ある一定以上の点数が取れないと、最終合格としないという大学も増えてきています。

参考:国公立大学 AO入試 スケジュール

AO入試に向いている学生

ここまで、AO入試について、AO入試の主要科目やスケジュールについてお伝えしました。AO入試は近年、ますます注目されている入試方式です。

国立大学協会は2021年までにAO入試などを増やし、入学定員の30%(現在の2倍程度)までに増やす計画をしているそうです。そのため、AO入試について知っておくことで、受験生の方が第一志望校に合格する可能性を増やせるのかもしれません。

ここから、AO入試に向いている生徒について考えていきます。

①AO入試に向いている 1 将来の目標が明確な人

「自分は小さい頃は病弱で、たくさん入院した。でもその時に看護師さんに優しくしてもらった。だから自分も自分と同じ様に苦しんでいる子の力になりたいから看護師になりたい。」

このように、自分の過去の経験や学びを振り返ります。その上で、自分は将来誰のために働きたいのか、何がしたいのか明確になっている人はAO入試に向いているでしょう。

AO入試では必ずと行っていいほど、「なぜこの大学のこの学部を選んだのか?」、「大学でどのような学びをするのか」聞かれます。そしてその問いに付随して、「大学でまなんだことをどう社会に活かすのか?将来何をしたいのか?」なども尋ねられます。

このような問いを考え続け、将来の夢と接続している人はとても強いと思います。

②AO入試に向いている 2 高校時代に何かを達成した人

私は英語が得意です。英語の勉強を頑張ったので、高3の春に英検準1級をとりました。

僕は理科の実験や研究が得意です。科学部で研究を続けて、全国の研究会で発表しました。

私達は野球部です。練習は過酷でしたが、私達の学校はなんとか夏の甲子園に出場できました。

このように高校時代になにかに打ち込んで結果を出せた人もAO入試に向いているでしょう。AO入試では、高校生活で頑張ったことについて聞かれることがあります。これらの質問に対して答えるネタになります。それだけでなく、高校時代になにかに打ち込む過程で挫折経験、葛藤経験などをし、乗り越えてきた経験もする可能性が高く、それらも面接等でアピールできる可能性があります。

③AO入試に向いている 3 志望する大学について深く理解している人

AO入試は、募集する大学・学部のアドミッション・ポリシーにあった学生と学校のマッチング入試とも言えるでしょう。

そのため、志望する大学がどんな学生を必要としているのか、その大学のニーズを深く理解することも必要です。自分が志望する大学のニーズは何でしょうか?コミュニケーション力?理解力や論理的思考力?様々あると思います。AO入試を志望する学生は、志望する大学について、募集要項を読み込むなどしてアドミッションポリシーについて深く理解する必要があります。

その上で、オープンキャンパスや研究室訪問などをし、大学の雰囲気やどんな授業が開講しているのか肌で感じることも大切だと思います。ただ、志望する大学によってはオープンキャンパスのすぐあとにAO入試がある大学もあるので、高2の頃からオープンキャンパスに行くなど積極的な行動が必要になります。

それでもわからないという方は、AO入試に自分が向いているかフローチャートで教えてくれているサイトがあります。よければご参照ください。

まとめ

長々お付き合いいただきありがとうございます。

今回は国公立大学のAO入試についてご紹介いたしました。

いかがだったでしょうか?

最後に今回の記事をまとめます。

①AO入試とは、それぞれの大学や学部で求める人物像(アドミッション・ポリシー)にあった学生をとるための入試です。

②AO入試では、志望理由書・面接・小論文などが課されます。

③AO入試では、将来の夢が明確な人や、志望大学について深く理解している人、高校で何かに打ち込んできた人が向いているでしょう。

AO入試は早い段階で進路が決まるため、受験勉強に使う時間を自分のために使うことができます。またAO入試でたとえ失敗しても、一般入試の勉強を並行して続けていれば、一般入試に切り替えることもできますし、それだけ受験の機会が多くなります。

「私は将来の夢がはっきりしている」

「この大学に行きたい」

という強い気持ちがある方はAO入試を考えてみるのも手かも知れません。

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