【徹底比較】大学入学共通テストの試行問題(化学基礎)・センター試験(化学基礎)特集

「大学入試共通テスト」で具体的にどう変わるの? 結局、どんな対策したらいいの?

そんな疑問に対して、大学入試センターが共通テストの改革のために行っている試行調査問題の分析をもとに具体的に解説していきます

今回は「化学基礎」の解説をしていきます!

 

これまでのセンター試験 化学基礎

概要

試験時間:60分(理科基礎科目 2科目あわせて)

得点:50点

大問:2題

設問数:13〜14個

特徴

第1問は理論化学の内容が暗記がメインになっています

第2問では計算力・思考力が問われます。

それぞれ大問の中の内容に関連性はなく、短い問題文に基づいて解答するようになっています。

30年度共通テスト試行調査問題の特徴分析(化学基礎編)

全体的に問題の文章量が多くなり、思考力を問う問題が多くみられます。

共通テスト試行調査問題(平成30年度)の概要

試験時間:60分(理科基礎科目 2科目あわせて)

得点:50点

大問:3題 (1題増加)

設問数:12個

大問ごとの分析

第1問 A

「ヒトのからだにおける水分の働き」を題材に、ナトリウムイオンの物質量計算や、飲料水を見分ける定性実験の問題。

第1問 B

「化学と人間生活」をテーマに、身の回りの現象を化学的な用語で説明させる問題と、身近にある金属の説明が出題されました。

第2問

ポーリングによる電気陰性度の定義の説明と酸化数の決め方をもとに、与えられた問題の酸化数を割り出す問題。与えられた文章の理解力と応用力が問われる問題でしたが、難易度は低く、適切に文章を読むことができれば満点をとれる問題でした。

第3問

ある高校生がトイレ用の洗剤に含まれる塩化水素の量を中和滴定実験で求めたときの実験報告書の空欄を埋めていく問題と、実験の失敗の理由を考えさせる問題で、実験に基づく実践的な思考力が求められる問題でした。

共通テストはどう変わる??

これらの分析を踏まえて着目するべき3点について解説します

テーマに基づいた出題

これまでのセンター試験「化学基礎」は、大問の中の問題の関連性が薄く、第1問は知識、第2問は計算力などのように求められる力ごとに漠然とまとめられていました。

それに対して試行調査問題では、「ヒトのからだにおける水分の働き」「化学と人間生活」などある話題に関連した出題となっております。

計算問題と知識問題が混合して出題されているため、知識・計算のどちらかの対策のみでは解答するのが難しくなっています。

この変化には、身の回りにあるものへの科学的好奇心や、化学を使って物事を理解しようとする応用力を養いたいという作成者の意図が読み取れます。

↑30年度共通テスト試行問題で出題された「中和滴定実験報告書をもとに解答させる問題

大問数の増加

知識・計算と2分化された大問構成からテーマに基づいた大問構成への変化に伴い、大問数が、通常の2題から3題へと増加しています。

しかし、設問数は、従来の13〜14から12へと減少していますが、設問数が若干減っただけで、文章が長くなっていることに注意が必要です。

理科基礎科目は2科目合わせて60分の解答時間は変わらないため、これまで通りの時間配分では間に合わない可能性があります。

共通テストでは、これまで以上に試験時間に注意する必要があります

知識の応用問題の出題

そして最後の変化としては、知識を応用した問題の出題です。

これまでの知識問題は教科書の内容を暗記しておけば解ける問題がほとんどでしたが、今回の試行調査問題では、その知識を発展的に考えなければ解けない問題も出題されていました。

飲料水のラベル表示から適切な情報を読み取り、その差からおきる性質の違いをもとに未知の飲料水を分類する問題は、どの分野の知識が必要で、どの知識を用いれば解答できるかという知識の応用が求められました。

 

 ↑30年度共通テスト試行問題で出題された知識の応用力が問われる問題

2020年度センター試験 化学は変わった?

では、これらの試行テストの出題傾向をふまえて、2020年度のセンター試験はどうなったのかみてみましょう。

試験時間:60分(理科基礎科目 2科目あわせて)

得点:50点

大問:2題

設問数:13個

大問ごとの分析

第1問

例年通り、主に知識を問う問題が出題されていました。生活に関わる物質に関しての出題もみられましたが、これまでのセンター試験にでていたものと大差がない出題内容でした。

第2問

こちらも例年通り計算を中心にした出題内容でした。難易度は高くなったものの、さほど変化はないとみていいでしょう。

結果:ほとんど例年通り

問題構成は例年と変わりなく、共通テスト試行問題で出題されたような長い文章や思考力を要する発展的学習内容は出題されていませんでした。

全体の難易度としては難しくなっていましたが、これまでのセンター試験での難易度の平均的な変化のなかに収まる程度のものでしょう。

とはいえ、試行調査の変化からみて、来年度からはじまる共通テストの問題はこれまでのセンター試験とは突如として大きく異なる可能性があるので、注意が必要です。

来年度からの大学入学共通テストはここが違う!共通テストを元に解説!

2020年度のセンター試験は例年と変わりなかったものの、共通テスト試行問題の出題傾向をみる限り、グラフ・表の読み取り、応用問題の思考、複合分野の出題は避けられないように思います。

問題の難易度が変化するかは不明ではあります。思考問題を問うとはいえ、必ずしも難しくなるとは限らず、文章を適切に読み取ることができれば簡単に答えがわかる問題もあります。

難易度ではなく、文章から読みとる今までと違った部分を測られるのだということを念頭においておきましょう。

共通テストに向けた対策の変化

以上の傾向と変化の予測をもとに共通テストに向けて具体的にどんな対策が必要なのかを解説します。

1. 知識と計算をまんべんなく学習する

これまでは暗記事項のみを詰め込んで、第一問の対策に備えるといったことが可能でしたが、共通テストでは知識・計算と大問がはっきりとは分かれていない大問構成になる可能性が高く、どちらもまんべんなく学習する必要があるでしょう。

もちろん、知識・計算の複合型の問題でも、部分では暗記のみ、計算のみで答えられるものもあるので、部分的な解答も狙えるため、全ての設問に目を通すことも必要になるでしょう。

2. 実際の現象をイメージする

30年度の試行調査問題では、身近にあるものと、化学の対応関係を問うものがよく出題されていました。

例えば、第一問 B 問4で出題されていた身近な現象を「蒸発」「抽出」「蒸留」などの化学的な用語で分類させる問題などはその典型的な例です。

教科書にかかれている内容を実際の現象に置き換えて、理解する力が求められていると言えるでしょう。

↑30年度共通テスト試行調査問題で出題された身近な現象と化学の対応関係を問う問題

3. 話題が何かを正しく把握する

異なる分野の問題が混合的に出題される問題では、問われている知識が何なのかがわからなくなりがちです。

これまでは、問題ごとの関係性が薄かったため、話題を考えなくても解答できましたが、共通テストでは、一つの話題に関連した出題がなされるため、その話題が何なのかを把握しておくことが問題を解く鍵になります。

例えば、実験の失敗(ズレ)をもとにその原因を推測させる問題などは、なにを調べたい実験で本来ならばどうなるべきかなど推測しながら解かなければならないため、話題を見失わないということが特に大切になってきます。

↑30年度共通テスト試行調査問題で出題された実験のズレの理由を解答させる問題

 

 

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