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工学部?理学部?現役東大生が解説するその違いと選び方


とりあえず理系に進学したはいいけど、行きたい学部が決められない、将来やりたいことも見つからない、なんて人も多いのではないでしょうか。かく言う僕もその一人でした。

なので今回はそんな人たちのために、現在東大工学部に通う僕が工学部や理学部が大学でどんなことをしているのか、将来どんな仕事に就くことができるのかなど紹介していきたいと思います。

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工学部と理学部、ズバリなにが違うのか

みなさんは〇〇学部と言われてもなにをするところなのかイメージしづらいと思います。

「理系だし工学部か理学部には進学したいけど実際違いはよくわからない」

「工学部は全員ロボット作るの?理学部は全員研究者になるの?」

これは極端な意見かもしれませんが僕も進学してみるまでは違いはよくわかっていませんでした。実際に授業を受けたり研究したりしてみて見えてきた違いがたくさんあったので詳しく解説していきます。

そもそも理念が違う

工学部も理学部もどちらも同じく自然科学を学び、研究を行う機関ですが実はポリシーが全く違います。

シンプルに言うと、

           工学部は応用、理学部は探究

です。これだけではわかりづらいのでもう少し調べてみましょう。

試しに東京大学の工学部と理学部のHPを見てみます。

まずは工学部、

「工学の教育・研究に携わる私たちは、科学技術が社会の中で活きてこそ意味があるという工学の原点から、様々な取り組みを行っています。」

(参照:東京大学工学部HPhttps://www.t.u-tokyo.ac.jp/foe/about/index.html)

次は理学部、

「理学系研究科・理学部は、自然界の真理の根本的理解に向けて不朽の教育・研究活動を行い、 最先端の知を創造し発展させ、それを継承することを重要な使命とする。」

(参照:東京大学理学部HPhttps://www.s.u-tokyo.ac.jp/ja/overview/charter.html)

固い言葉で書かれてはいますが、要するに、

「工学部は科学技術を活用して生活をより便利にしていくよ」

「理学部はこの世界にはまだまだわからないことがいっぱいあるからその謎を先人たちの知恵を引き継いで解明していくよ」

ということです。

このように、同じ科学の研究をしていても根本的なポリシーが大きく違うことがわかりました。次は具体的に僕たち学生がやることがどう違ってくるのかについて解説していきます。

大学の勉強も違う

ポリシーや目的が違うのはわかりましたが僕たちが気になるのは、

「じゃあ大学での授業や勉強はどう違うのか」

ということです。こちらも見ていきましょう。

数学・物理からは逃げられない

みなさんは数学や物理は得意でしょうか。中には数学や物理が苦手で化学系・生物系を志しているという人もいるのではないでしょうか。ですが残念ながら数学系・物理系以外に進学しても工学部・理学部ならば数学や物理をがっつり学ぶことになります。

しかし、学ぶ数学・物理は実は工学部・理学部で少し異なっていて、工学部はモノづくりのためのシミュレーション・計算用のものを学び、理学部は最先端の理論を学んでいくことになります。

具体例を挙げます。

まず、工学部の機械工学科では高校で学ぶ力学の発展形として材料力学・機械力学などを学びます。これは材料の強度を求めたり、剛体の問題を解いていく力学で実際に機械を設計したり制御したりしていくことを目標としています。

次に、理学部の物理学科では高校の物理の教科書の続き、量子力学や相対性理論、固体物理学などについて学んでいき、謎多き自然に対して人間がさらなる理解を深めていくことを目標としています。

このように、同じ物理でもそれぞれ高校物理から実用的な方向に発展したもの、純粋に真理に近づいていくために発展したものを学んでいくことになります。

また、化学系・生物系では量子力学などのミクロな世界の物理をうまく活用することでよりミクロな視点を身につけることが求められます。

難しそうな名前の科目がたくさん出てきましたが、ひとつ安心してほしいのは大学で出てくる難しい科目は自分だけでなくみんなにとっても教授にとっても難しいので自分だけついていけなくて置いていかれる、なんてことはないので大丈夫です。

以上のように、どの学科でも数学・物理はやることにはなりますが分野ごとアレンジされた、少しずつ異なるものを学んでいくことになるのです。

工学部・理学部の数学・物理の違いをまとめると、工学部はモノづくりのための計算ツールとしての数学・物理を学び、理学部は純粋な興味のもとその学問をひたすら掘り下げていくということです。

実験からも逃げられない

高校の理科で毎日実験をやるようなことはないと思いますが、大学に進学すると、数学科以外は遅くとも3年生からは工学部でも理学部でもどこに行っても週の半分以上は実験をやることになります。

実験の種類も少し異なってきます。

工学部では実習と呼ばれるような学科もあるように実際にエンジンを作ってみたり、回路を組んでみたり、アプリを作ってみたり、あくまでモノづくりの練習という側面があります。

対して理学部ですが、こちらが皆さんがイメージする実験に近いと思います。最先端の理論がちゃんと成り立っているのかを再確認したり、物質の性質を測定していったりします。

実験に関してはどこの学部学科に行ってもそれなりに大変だろうと思います。

どちらも研究を始めるための練習といった面が強いと思います。

現在実際に研究している身としては実験しているとうまくいかないことや理論と矛盾しているような結果がでることもよくありますが、そういったことが新しいひらめきや発見につながると思うので、まずは既によく分かっている範囲で実験の練習をしておくことはとても大事だと思います。

研究も全然違う

工学部も理学部も大学生活の後半は授業ではなく研究がメインとなっていきます。今は研究と言われてもなにをするのかあまりイメージできないとは思いますが、大学生活の多くの時間を割くことになりますし、工学部と理学部で内容が大きく違うので是非ともこの記事をよく読んでもらってちょっとでもイメージする助けになればうれしいです。

工学部と理学部の研究の違いを表すキーワードは、発明と発見です。

まず、今までの記事からもわかるように工学部の目的・興味はモノづくりです。例えばスマホやパソコンはとても便利で今となっては無くては欠かせないものですが、これらはまさに大発明と言えるでしょう。ノーベル化学賞を受賞した吉野彰さんは現在スマホに用いられている充電池を発明しました。そのように、人々の生活がより豊かになるように機械や素材を発明していくのが工学部の研究です。

なので、具体的には今ある部品をより安くしたり、より軽くしたり、より速くしたりと改良するためにシミュレーションや実験をしていくことになります。

それに対して、理学部の研究は真理の探究が目的となっています。工学部とはまさに真逆と言えるでしょう。スマホやパソコンは確かに大発明ですが、物理学や数学が十分発展していなければあり得なかったでしょう。また、人工衛星の設計には相対性理論や最先端の物理が組み込まれています。このように技術の発展は理論の発展無しでは成り立ちません。ということは理論の発展は技術の発展より先なので理学部では役に立つかどうかは一旦置いといてただひたすらに真理を追究することになります。そうして新しい式や物質を発見していきます。

ここで、理学部の研究は大きく分けて理論と実験の二つに分かれます。

新しい理論とその通りの実験結果が出て初めてその理論が認められるからです。

ただ、今までの理論を覆す実験結果が出てしまいそこから理論が書き換えられるというパターンもあります。

なので、既知のものをひたすらに学んで新たな理論を組み立てて行く研究と実験によって理論を確かめたり新物質を見つけようとする研究などがあります。

こんな人におすすめ

ここまで工学部と理学部のそれぞれの特徴についてまとめてきました。自分は〇〇学部が良いと決まった人も、かえって迷ってしまった人もいるかと思います。なので、ここでどういう人が工学部または理学部に向いているのかをまとめておくことにします。

工学部

そもそも何かを作るのが好きな人や何か作りたいものがある人は工学部に行きましょう。そうでなくても、専門性が身について何らかのものを1つ自分で作れるようになるというのはワクワクしませんか?また、自分が作ったものがスマホなどの製品に組み込まれたらすごいことだと思いませんか?そう思う人は是非工学部へ。人間の社会の発展に貢献しましょう。

理学部

好きな教科はありますか?この宇宙、自然のことがもっと知りたいですか?

先ほどは、いつかは役に立つかもしれないから基礎研究も大事だ、と言いましたが、実はむしろ役に立つかどうかはどうでも良い、自分はこの教科をひたすらやるのが楽しいんだ!この切り口から自然をもっと理解するんだ!という姿勢の方が理学には大事です。

こういうアツい気持ちがある人は是非理学部に行きましょう。

卒業後の進路

大学を卒業すると大学院に進学するか、働くことになります。どれくらい大学院に進学するものなのか、就職するとしたらどういったところに就職できるのか、気になる人が多いと思います。そちらについても紹介していきます。

大学院への進学率

文科省の調査によると大学院への進学率は理学部で42%工学部で36%となっています。ちなみに東京大学ではどちらも約85%でした。これは実際に在学している感覚ですが、3年生までは既知の事実を勉強することが多く、本格的に研究が始まるのが4年生からなので自分の専門分野についてしっかりとした知識や技術を身につけたいのであれば大学院に進学することがほぼ必須だと思います。また大学院でその専門性を身につければ卒業後にそれを活かした仕事に就けるようになります。

就職は?

今述べたように専門的な能力を身につけるならば大学院に進むことが必要なので、大学卒業後進学せずに就職する場合は文系学部の卒業生と同じように就活することになります。理系学部卒業であることは有利にも不利にもならないでしょう。

専門性を身につけて就職する場合工学部と理学部では大きく違うので解説していきます。

工学部

工学部で技術を身につけた場合その技術をそのまま活かせる仕事に就こうとする際有利に働きます。

具体的に言うと、半導体の研究をしてきた人は半導体メーカーに就職しやすいですし、情報系の学科を卒業した人はプログラマーになりやすいです。別にその分野にしか就職できないということはなく、実際全然違う分野に就職する人も多くいますが、研究しているうちに自分の分野が好きになったのか、その分野が好きだから研究してきたのかどちらが先かはわかりませんがそういう理由で自分の分野に就職する人が多いわけです。また関連する資格がとりやすい、というのも理由の1つだと思われます。

参考に、東大工学部の場合は就職先1位は機械系はトヨタ、電気系は日立、情報系はNTTとなっています。

理学部

理学部で身につけた能力を活かせる仕事は研究者や教員です。数学を深く学んでそのまま数学者になったり、高校の先生になったりです。しかし、研究者になるというのは狭き門です。絶対的に研究者として十分な給料がもらえるポストの数が少ないのです。なので、研究者となりそのままその分野で食べていくのは簡単ではありませんが、身につけた数理能力を活かして金融業界や今の分野とは全く異なるプログラマーなどの職に就く人も多くいます。

東大理学部の場合は就職先の人数の企業ごとのデータはありませんが、数学・物理系では研究者・金融業界が多く、化学系では化学メーカー、情報系ではNTTなどの通信系の企業が多いです。

まとめ

工学部と理学部の特徴や進路について解説きました。どちらに進学するか迷っていた人には助けになったでしょうか。今までのことを軽くまとめると工学部は実用的な研究、理学部は真理を追究していて、工学部は専門分野の仕事には就きやすく、どちらも他の分野については変わりません。

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