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高校生にオススメの勉強方法。知っていても繰り返す!


オーバーラーニングという言葉をご存知ですか?

 

あることを学習して、身についたあとも更に学習することで脳に記憶を「定着」させることをオーバーラーニングといいます。近年脳科学等の発展で科学的にも証明されています。

 

今回はオーバーラーニングと記憶や脳の不思議についてご紹介します。

 

高校生にオススメの勉強方法。知っていても繰り返す!

 

何度も勉強した英単語や古典単語。

過去問演習に入る前に何度も解いた数学の基礎問題。

 

基礎的な問題は何度も繰り返すことで定着していきます。

 

しかし、1度「わかった、覚えた」と自分で感じても、人間の脳の構造は、新しい記憶を入れると古い記憶が抜けてしまうシステムになっているため、1度覚えたと思ったものも忘れてしまう可能性もあります。そのため、1度覚えたと思った内容を何度もなぞるように繰り返すことで、記憶定着を強くし、「記憶から抜け漏れがないようにする」ことが重要です。

 

このように、記憶から抜けないようにするコツの1つが「オーバーラーニング」に隠されています。オーバーラーニングとは、「教材で学習した内容やスキルの強化をするために、最初に『覚えた、出来た』と思った後も学習をつづけること」を言います。

 

オーバーラーニングをすることによるメリットはいくつかあります。

 

①オーバーラーニングをすることで、その行為のスキルがあがる。

オーバーラーニングをすることで、記憶定着が良くなるだけでなく、その行為のスキルが向上すると、ブラウン大学の認知言語心理学者の渡辺が報告しています。

 

②オーバーラーニングをすることで、忘れてしまうリスクを減らす。

「覚えた!」と自分で思ったものに関しても、新しい記憶を入れると古い記憶が抜け落ちてしまう記憶システム所以であったり、記憶したと思ったものと似たようなものを学習する際に、お互いが干渉してしまい、忘れてしまったり等するリスクはあります。

 

③オーバーラーニングによって、知識を定着させることで、その知識を運用する際のエネルギー量がへる

同じ内容を覚えようとすること、同じ行為をし続けることにより、慣れていくことで、不必要な筋肉の動きを減らし、無駄なエネルギーを使わなくてすむようになります。(特定の動きを筋肉の記憶に委ねることができる。)

 

勉強への活かし方|オーバーラーニングするとどうなる?

 

ではオーバーラーニングはどのような場面で利用すればいいのでしょうか?まずは日常場面での使われ方を説明し、その後、勉強での活かし方についてお伝えします。

 

①ある音楽家の話

バイオリニストは、音符やメロディを覚えても練習を続けました。彼女は練習すればするほど、演奏にかけるエネルギーは少なくなっていき、テクニックを追求するだけでなく、感情を音楽に吹き込むなど、パフォーマンスがより素敵になるように改善をかけることが出来ました。

 

②あるスポーツ選手の話

バスケットボール選手は、フリースローでほぼ完璧な記録を達成しても(ほぼ毎回ゴールに入れられたとしても)、毎日夜遅くまで練習を続けました。彼は何度も練習してきたので、コートでシュートをする際に、周りに観客がいても、過度に緊張することなく(もうフリースローが特定の筋肉の記憶に委ねることができたので)高いパフォーマンスを発揮することが出来ました。

 

このように、何度も何度も練習することで、ある行動(バイオリンを弾くことやフリースローをすること)に余裕ができるため、周りからの雑音を意図的にシャットダウンすることや(注意が散ってしまわないように集中することにエネルギーを向けて、残りのエネルギーでフリースローを成功できるように頑張ることができる)、感情をこめて演奏し、パフォーマンスをあげることができるなど、オーバーラーニングを通して、完璧以上のことができるようになりました。

 

これは勉強場面でも考えられます。

 

例えば、SATやACTなどのテストやセンター試験等の似たような傾向で出題される試験において、何度も同じ形式に慣れるように、何度も何度も問題を解いてきた生徒の方がそうでない生徒に比べ、テストの指示に対して、適切な答えを答えやすかったり、テストに対して自分はどのように解けばいいかという想定もしやすくなります。

 

オーバーラーニングの科学的根拠

さて、オーバーラーニングの科学的根拠について、ボストン大学の渡邉教授等の研究で明らかになりつつあります。

 

この研究は、最初に、通常学習群と過剰学習群(オーバーラーニング群)の2群に分けます。

 

通常学習群には、ある知覚学習課題を8試行行います。これまでの先行研究で、この知覚学習課題は非常に難しく、8回以上やっても、課題の成績は上がらないと言われています。

過剰学習群には、ある知覚学習課題を16試行行います。(通常学習群の2倍行います。)

 

その後、両群に、同じ知覚学習課題を行います、その結果、過剰学習群の方が通常学習群に比べ、2回目の知覚学習課題の成績は向上したと報告されています。

 

この結果について、「新しいスキルがみについたばかりである状態で、そのトレーニングをやめてしまうと、脳は可塑的な状態が続き、また別の新しいスキルのトレーニングを始めると、新しい記憶が上書きされ、今身につけた新しいスキルを記憶定着することを妨げる可能性があります」と考えることもできると渡邉教授は報告しています。

 

また、この研究の際に脳の働きについて調査すると、通常学習群は主にグルタミン酸等の興奮性の高い神経伝達物質が伝達されていました。そのため、「学習しやすい状態」に脳がなっているため、ある知覚学習課題を訓練した後も、新しい記憶を上書きされやすい可能性があります。一方で、過剰学習群は、抑制系の神経伝達物質のGABAが多く存在し、新しい記憶の上書き(学習をする)がしにくい状態になっています。

 

つまり、オーバーラーニングを行うことで、脳は記憶を定着させ、別の記憶によって上書きされるリスクを減らし、身につけたスキルを忘れないように(記憶定着できる)ようにすると考えられると伝え、オーバーラーニングをすることで、記憶定着や学習に効果的であると渡邉教授は報告しています。

 

 

まとめ

オーバーラーニングについていかがだったでしょうか?

何度も反復練習をすることで、記憶定着や学習が定着し、「緊張してしまいがちなテスト場面」でも安定して、アウトプットでき、テストや入試問題を解く際に、自分が勉強してきたことを上手に出し切ることができるかもしれません。

 

 

参考文献:Kazuhisa Shibata・Yuka Sasaki・Ji Won Bang・Edward G. Walsh・Maro G. Machizawa・Masako Tamaki・Li-Hung Chang・Takeo Watanabe(2017)Overlearning hyperstabilizes a skill by rapidly making neurochemical processing inhibitory-dominant.Nature Neuroscience, 20, 470-475

 

参考:What Is “Overlearning” and Why Is It So Important?

What is Overlearning? A Scientific Update

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