大学入学共通テストの記述試験・英語外部試験導入はなぜ延期されたのか?

2021年からセンター試験に変わって共通テストが実施されます。

2020年センター試験から2021年共通テストへの変更により具体的に何が変わるのかについてはこちらの記事で解説しました。

 

「この記事」だけでわかる共通テストとセンター試験の大きな違い4つを徹底解説

各科目がどう変わるのかに関してもアクシブ blog予備校では各科目の試行問題とセンター試験を比較・分析中です。

随時具体的な変更点を記事にして投稿していきます。

今回はそもそもなぜセンター試験が廃止され、共通テストが導入されるのか。

また、記述式と英語の外部試験が導入される予定だったのにも関わらず、なぜ延期されることになったのかを解説していきます。

 

センター試験から共通テストに変更された背景

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センター試験は平成2年から行われてきました。

つまりセンター試験導入から現在までおよそ30年が経過しました。

そうした中で世の中ではテクノロジーが多方面で発展してきたことによって、世の中の構造が変化してきています。

キーワードとしては

  • グローバル化
  • 少子高齢化
  • ITの発達

などが挙げられます。

例を上げると、

・航空券の価格はグッと下がり人が国境をこえて旅行や仕事をすることはどんどん身近になった

・GAFAのように国境に縛られずに事業を展開するような企業も登場

※GAFA(ガーファ)とは、米国のGoogle、amazon、facebook、appleの4社のことをいいます。いずれも、ITを使った各種サービスの共通基盤になるインフラを提供する起業です。

・snsの登場/翻訳機能の発達によってどこの誰とでも一緒に作業を進めていくことが可能になった

・一方で日本では少子高齢化が大きな社会問題に

・AIの発展によって多くの仕事が機械に代替されてきている

こうしたことを背景に、人に求められる能力がだんだんと変化してきました。

外国の人と仕事をする機会が増えることになれば英語は読めて聞ければ良かった時代から、書く・話すといったスキルが求められる時代に変わることになります。

また、知識があればできるだけの作業を機会がやるようになれば、私たち人間はそもそも何を生み出すのかを考えた方が良いことになります。

このような変化を教育の段から取り入れようとした動きが共通テストなんです。

英語の外部試験導入は顕著に書く・読むといった新たなスキルの習得が必要であることを表していますし、

記述試験では自ら表現する力、数学で導入される文章の多い問題は知識を生かす場を見つけるための能力が問われることになります。

 

こうして考えていくとセンター試験が変化していくのは自然なことのように思います。

それではなぜ今回記述式と英語の外部試験導入は延期されたのでしょうか

英語外部試験導入はなぜ延期されたのか

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それぞれの外部試験のスコアをどう評価するのか

英語の外部試験といっても、TOEFLたGTEC、英検、IELTSなど、様々なものがあります。これらのスコアを公平に評価するのは難しいです。それぞれの試験で少しずつ内容が違いますし、ある程度信頼性のある組織が発表しているスコアの対応表でも本当に対応した実力を持っているといえるのか疑わしい場合もあります。

教育格差の拡大

英語の外部試験を受験するには費用がかかります。当初共通テストでは良いスコアを提出できるようになっていたため、なんども受験して試験になれることのできる裕福な家庭の高校生の方が有利なのではないかという懸念がありました。これに加えて、文科省の萩生田大臣の「身の丈にあった受験を」という発言が、家庭の貧富の差が教育格差につながるような状況を受け入れているものだとして批判を受けたことが大きな話題となりました。

 

こうしたことを背景に2019年11月に文科省は英語の外部試験導入を延期することを決定しました。

 

記述式の導入はなぜ延期されたのか

こちらも大きく分けて2つの問題があります

テクノロジーを使った採点の誤算→人が全て採点する必要がある

そもそも記述テストの採点が本当に正しいのものなのかどうかはかなり判断が難しいものです。こちらの記事によると、PC/AIが公平性を保った採点に対して機能する予定だったことが伺えます。しかし実際機会をうまく利用して採点することは難しい状況になり、バイトのように十分な知識があると見なされない人が採点者となる可能性が出てきました。そうすると公平な採点が行えるかどうかが大きな不安材料になっていったわけです。

自己採点との点数のズレ

また記述式問題については自己採点も大きな問題になります。自分自身が採点者となり、適切な点数をつけて、かつそれが自分の回答の採点者と一致している必要があります。出願する時点で受験者自身は自分の本当の点数を知ることはできない仕組みとなっているため、自己採点をもとに出願先を決めていくことになります。

そうした中で日経ビジネスによると、

自己採点と実際の採点結果が一致しなかった受験生の割合は特に国語で高く、28.2~33.4%に上った。数学でも6.6~14.7%が一致しなかった。

といったことが起きているそうで、こうした状況に不安や批判が多くあがっていました。

 

そして結果的に記述式の導入も延期されることになったのです。

コラム:そもそも公平性って?

ここまで入試は公平に判断されなければならないということを前提に話を進めてきました。しかしこれに対して興味深い2つデータを提示します。

東大生の親の平均年収は平均よりも顕著に高い

Newsweekによると、東大生の家庭の平均年収は950万円を超える家庭が6割に及ぶそうです。マクロな視点で見たときに教育に対して家庭がどれだけお金を払えるかと子供の成績には相関があるのは間違いなさそうです。

海外では推薦状が入学試験に大きく影響する

海外では入試の際に推薦状が大きな力を持ちます。しかしこれを書くのは推薦を本人と深い関わりのある個人です。日本ではこうした個人の力が合否に関係することは公平ではないとして非難される傾向にあります。

 

まとめ

英語外部試験はそれぞれの外部試験をどう評価するか受験料による貧富の差と教育格差の問題により延期された

記述式は採点の公平性自己採点とのズレに問題があり延期された

 

 



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