【共通テスト世界史B】試行問題から見る、センター試験とのちがいと対策

「大学入学共通テストが始まります…。でも世界史Bってどう変わるんだろうな」

センター世界史Bと共通テストの世界史B。入試が変わってしまうのかな???

 

あなたはこう悩んではいませんか?

2020年に大学共通テストが始まります。それに伴って、各科目の出題のされ方が変わるといわれています。一体世界史は、センター試験から大学入学共通テストに変わるとどのように変わってしまうのでしょうか?そのヒントが平成30年度に行われた大学入試共通テストの試行調査に隠されているそうです。

今回は、世界史Bのセンター試験、大学入学共通テストの試行問題を分析・解説していきたいと思います。

大学入学共通テストの概要とセンター試験と共通テストの違い

ではさっそく大学入学共通テストの施行問題の簡単な概要を説明していきます。大学入学共通テストは、大問が5問、問題数は、34問あります。実際に私が施行問題等を問いてみてセンター試験に比べ難しいと感じた点は以下です。

 

①単純な知識だけでは正解できません。歴史の用語や事象を単純に問うのではなく一歩踏み込んで、歴史的背景や経過・結果などを問う問題が出題されました。

→日頃から単純に物事を暗記するのではなく、どうして〇〇となったのか?考える癖をつける必要があります。

 

②センター試験で出題されたような、1問1答形式の正誤問題が減少しました。

→センター試験対策で1問1答形式のような正誤問題が少なくなったことから、単純な知識のインプットだけでは共通テストは高得点を取りづらいのかもしれません。

 

③考えさせる問題が増えます。資料の読み取りや図版を利用した問題などが登場し、考察しながら解答する必要がある問題も出題されました。

→普段から資料や図版などの複数の情報源から情報を抽出したり、抽象化する力を養う必要があります。

 

④年号や干渉関係などの周辺知識が必要になります。当時の時代の流れや因果関係を意識した問題が出題されたため、問われている時代の時代背景や問われている問題における人(国)ごとの関係性を理解しておく必要があります。

→1問1答形式で覚えるのではなく、その時代や事件の時代背景や関係性をストーリー仕立てで理解しておく必要があります。

 

続いて、共通テスト・センター試験の概要についてご紹介します。

 

①大学入学共通テスト

試験時間:60分

大問数:5題

設問数:34問

満点:100点

 

世界史の共通テストの2018年度の施行調査の平均点は59点でした。選択肢問題で4択以外の6択の問題がでたり、資料を読み取る問題等が出題されましたが、センター試験とほぼ同様の平均点でした。

 

②センター試験

試験時間:60分

大問数:4題

設問数:36問

満点:100点

 

2005〜2019年と同様に、大問4題で各9問ずつの計36問から構成されていました。平均点は約60点で、難易度は例年と変わりませんでした。

 

 

大学入学共通テストの試行問題(2017年度版)の世界史の試験分析と解説

続いて、共通テストの試行問題の「世界史」(2017年度版)について解説していきます。まずは各大問ごとの分析です。

 

①大問1

A問題では、古代の中国と日本に関する正誤問題が出題されました。

問1は金印がもたらされた当時の東南アジアの状況に関する正誤問題でした。金印がもたらされたのが1世紀であるというリード文をしっかり確認しましょう。選択肢の中で1世紀のことについて書いてあるのは①と②です。③,④は4世紀以降の出来事で、金印がもたらされた時代よりも後の出来事です。②については、光武帝は後漢の皇帝で時代としてはあっていますが、楽浪郡を設置したのは前1世紀の前漢の武帝です。行った内容が違うので不正解です。残った①が正解です。

問2は文中の空所補充問題でした。朝貢冊封体制についての知識があれば、容易に解答することが出来ます。中国が周辺の小国を冊封していたという知識は暗記必須です。空所の流れから他の選択肢を推測することも出来なくはないので、しっかりと覚えておきましょう。

問3は下線部から読み取れる内容に関する正誤問題でした。問題文となる会話文の中から、印刷に関する①、「後漢書」の編纂時期に関する②、漢字表記に関する③はどれも推測することが出来ます。④については、卑弥呼が2世紀以降の人であるということからすぐに間違いであるとわかりますが、問題文のパネルの部分に「当時、倭には多くの国があり、それぞれ世襲の王がいた」と言い切られているため、推測できる内容として間違いです。

 

B問題では、6世紀の作品「歴史十巻」からの抜粋問題でした。文書から読み取れる内容を選択する問題、主題について描いてある絵を選択する問題、空所補充問題が出題されました。大学入学共通テストで求められる能力を試す、典型的な問題となっていました。

問4は文書から読み取れる内容を選択する問題でした。クロ−ヴィスとアラマン人との戦いが起こったときに、クロ−ヴィスが発した「」内の内容から解答することが出来ます。知識がなくても文脈などから解答することができる特徴的な問題の一つです。

問5は主題について描いてある絵を選択する問題でした。「クロ−ヴィスの改宗」は当時のヨーロッパ社会において衝撃的な出来事の一つです。この絵は資料集に必ず載っているので必ず確認しておきましょう。

問6は空所補充問題でした。①,②,④は人名なので、新たに名乗る名前ではありません。①サラディンはアイユーブ朝の人間、②トマス=アクィナスは13世紀の神学者で「神学大全」の著者です。④ディオクレティアヌスは、3世紀末〜の皇帝で、キリスト教徒弾圧を行ったことで有名な人物です。正解は③です。コンスタンティヌスは東ローマ帝国で継承されていた敬称です。

 

②大問2 

A問題では、人の移住や移住の歴史についての班別学習に関するリード文から、正誤問題が3問出題されました。

問1は正誤問題でした。正解のものを選択するのではなく、誤っているものを選択する問題なので間違えないように注意しましょう。王朝に関する知識がなくても、地図と有名な都市の位置をしっていると解答することが出来ます。解答は①です。地図をみると、セルジューク朝の勢力範囲はアラビア半島までで止まっており、エジプトのカイロまでは到達していません。よってこれが誤っているものです。

問2は正誤問題でした。正解は③です。インドとアフリカ東岸の交流がヴァスコ=ダ=ガマのインド航路開拓によって始まったとひとみが言っていますが、これは誤りです。「スワヒリ語」として有名なように、その2箇所はヴァスコ=ダ=ガマのインド航路開拓以前から貿易関係があります。

問3は正誤問題でした。年号暗記がかなりのヒントになる典型的な問題でした。①APEC発足は1989年です。②アジアアフリカ会議は1955年です。③アパルトヘイトの法的撤廃は1991年です。④ベトナム戦争の終結は1975年です。この中で、問題文の真央さんのセリフ「白人以外の移民を制限した、いわゆる白豪主義は、1970年代に撤廃されたのね」と同時期の内容を指しているのは④です。

B問題では、中国の人口推計値のグラフをもとに組み合わせ問題1問、正誤問題2問が出題されました。

問4は、グラフの時期と人口増加の要因についての問題でした。アの時期に穀倉地帯形成がなされたわけではなく、農地の囲い込みもまだ盛んではありませんでした。イの時期では、とうもろこしやさつまいもなどの外来作物が普及し始めました。よって③が答えです。

問5は、消去法で解いていきましょう。各時代でどんなことが起きたか年表等で再度確認してみてください。

 

問6は推測する問題なので消去法で解答しましょう。フィリピンのアメリカに対する運動のことなので、「政治改革を阻もうとする」とある1は不正解です。3は、米西戦争から20年後に発足したコミンテルンに関してなので、不正解です。4は「共和国の樹立」がジュ分ではありません。リード文最後に自由のために戦うというような内容の記述があるため、支配されているフィリピンの民主主義運動に参加していたと推測できます。

 

C問題では、インドネシアに関するリード文から、正誤問題と組み合わせ問題が出題されました。

問7は正誤問題でした。ボロブドゥールは大乗仏教の寺院でインドネシアのジャワ島にあります。ボロブドゥールが大乗仏教の寺院かどうかという部分は入試頻出なので暗記しておきましょう。

問8は組み合わせ問題でした。インドネシア建国の指導者はスカルノです。彼は大統領になり、ナサコム体制を作りました。この体制は国内の違いを超えて国を統合しようとする目的のものです。

 

 

③大問3 

A問題では、イスタンブールのトプカプ宮殿に収蔵されている中国製磁器に関して推測問題、組み合わせ問題、正誤問題が出題されました。

問1は年号から当時の貿易ルートを推測する問題でした。当時のマラッカは東洋貿易の拠点だったという事実を理解しておきましょう。

問2は組み合わせ問題でした。年号より、銀の流出と同時期になると推測しましょう。アメリカ大陸や日本からの銀の流入が要因の一つであったということも知っておく必要があります。

問3は18世紀のヨーロッパの習慣として、パンの作成が間違っています。

 

B問題では、3種類の貨幣の画像とその説明から、正誤問題、空所補充問題、年代配列問題が出題されました。

問4は正誤問題でした。鳩摩羅什は仏典の翻訳をしましたが広めてはいません。法顕はインドに旅して、「仏国記」を記しました。

問5は空所補充問題でした。空所前部から、パルティアを滅ぼしたササン朝を連想しましょう。ササン朝はゾロアスター教を国教としたことで有名です。

 

 

④大問4

A問題では、国家間の関係に関するリード文から、正誤問題、複数選択問題が出題されました。

問1は正誤問題でした。ユーゴスラヴィア連邦は20世紀末に解体したため、誤っています。

問2は複数選択問題でした。ポーランド分割から、参加国を思い出しましょう。

 

B問題では、中国の王朝に関する資料から、組み合わせ問題、正誤問題、推測問題が出題されました。

問3は組み合わせ問題でした。中国は絹織物が有名だったのでアはbです。資料から推測しましょう。

問4は正誤問題でした。630年の中国王朝は唐です。この税制は両税法です。

問5は推測問題でした。資料2の内容と世界史の知識を使って推測しましょう。

 

 

⑤大問5

経済・統計の資料に基づく、授業のような会話文形式の大問でした。正誤問題、組み合わせ問題が出題されました。

問1は正誤問題でした。因果関係が違う3が正解です。

問2はアメリカのプランテーションに関する知識とその説明に関する問題でした。

 

大学入学共通テストの試行問題(2018年度版)の世界史の試験分析と解説

続いて、共通テストの試行問題の「世界史」(2018年度版)について解説していきます。まずは各大問ごとの分析です。

 

①大問1

A問題では、ヨーロッパの地図と矢印に関する正誤問題と組み合わせ問題が出題されました。

問1は矢印aまたは矢印bが示す内容についての正誤問題。西ゴート王国の位置、そしてウマイヤ朝がイベリア半島に侵攻したという事実と両国家が同年代に存在していたという時代感を理解しておく必要があります。

問2は事例と説明の組み合わせ問題。事例にあることの内容を下の説明から選択しましょう。組み合わせは「い×X」「え×Y」の2つです。下部にある組み合わせは「え×Y」の方のみです。ちなみに、東方植民はドイツ人によって行われ、地図中の矢印よりも北側で行われていました。

問3は正誤問題。メロヴィング朝は481年、マムルーク朝は1250年に成立しました。メロヴィング朝がカロリング朝に変わったのは751年です。つまり両者が接触したという可能性はありません。年号暗記が必要な問題でした。

 

B問題では、3つの地図に関する正誤問題と組み合わせ問題、時代順配列問題が出題されました。この問題のように、大学入学共通テストでは地図やグラフなどの含まれた問題がセンター試験よりも多く出題されます。

問4は①当時サハラ貿易で栄えていたトンブクトゥのある、ニジェール川流域 に関する正誤問題でした。「トンブクトゥ」から、マリ王国とソンガイ王国を思い出しましょう。両国は金と岩塩に恵まれていたことから、それらを使って貿易をしていた国家です。

問5は文章中の空欄に穴埋めする形式の組み合わせ問題でした。1402年という年号から、アに入るのはdだとわかります。ヴァスコ=ダ=ガマのインド航路開拓は1498年、アムンゼンの南極点到達は1911年です。1402年の200年後というヒントから、イに入るのはfであると推測できます。クックの太平洋探検は18世紀のことです。

問6は1402年とa〜cの選択肢の時代順配列問題でした。aの甲午農民戦争は1894年、bの楽浪郡配置は前108年、豊臣秀吉の朝鮮侵略は1592年です。並び替えると「b→地図1→c→a」の順番になります。

 

C問題では、カナダの第一言語に関する組み合わせ問題が2問出題されました。

問7です。カナダの歴史を鑑みると、aは選択肢としてカナダにそぐいません。ハイチに関する説明です。ケベックには、フランスブルボン朝の時代に植民地となっていたという歴史があります。この事実から、エに入るのはcであるとわかります。カナダ全体で英語母語話者が多いのは七年戦争などによってカナダの大半がイギリスに植民地支配されていたからです。

問8です。アメリカの歴史で1860年と聞くと大陸横断鉄道という用語がでてくるようにしなければなりません。重要年号です。オは空欄前部の1860年代というヒントから「大陸横断鉄道の建設」を選択しましょう。カは移民法の説明です。20世紀に制定された移民法は、アジア系移民を禁じるという内容のものです。その中に日本人も含まれているということもポイントです。

 

②大問2 

A問題では、古代ギリシア・ローマの政治思想に関するリード文から、組み合わせ問題、空所補充問題、正誤問題が出題されました。

問1は組み合わせ問題でした。元老院は貴族で構成された組織です。僭主は権力が一人に集中すること、イメージは絶対王政のようなものです。元老院は300人で構成されているため、僭主とは異なります。つまりアには貴族が入ります。共和制末の内戦で有名なのはカエサルです。オクタウィアヌスはカエサルの養子で初代ローマ皇帝です。つまり、イにはカエサルが入ります。

問2は空所補充問題です。リード文から、モンテスキューが提唱したものはなにか選択する問題だとわかります。モンテスキューは三権分立を提唱したので、それを表している3が正解です。

問3はアテネのペルシア戦争の結果についての問題です。ペルシア戦争で三段櫂船の漕ぎてとして活躍した無産市民が、戦争後に発言力を高めたことは戦争の結果として重要なポイントです。

 

B問題では、日本人の回想録に関するリード文から、組み合わせ問題と正誤問題が出題されました。

問4はフィリピンという国名を見て米西戦争を連想する必要があります。講和条約のパリ条約で戦勝国のアメリカがフィリピン・グアム・プエルトリコを領有することが決まりました。この知識で問5も解答することが出来ます。

問6は推測する問題なので消去法で解答しましょう。フィリピンのアメリカに対する運動のことなので、「政治改革を阻もうとする」とある1は不正解です。3は、米西戦争から20年後に発足したコミンテルンに関してなので、不正解です。4は「共和国の樹立」がジュ分ではありません。リード文最後に自由のために戦うというような内容の記述があるため、支配されているフィリピンの民主主義運動に参加していたと推測できます。

 

C問題では、インドネシアに関するリード文から、正誤問題と組み合わせ問題が出題されました。

問7は正誤問題でした。ボロブドゥールは大乗仏教の寺院でインドネシアのジャワ島にあります。ボロブドゥールが大乗仏教の寺院かどうかという部分は入試頻出なので暗記しておきましょう。

問8は組み合わせ問題でした。インドネシア建国の指導者はスカルノです。彼は大統領になり、ナサコム体制を作りました。この体制は国内の違いを超えて国を統合しようとする目的のものです。

 

③大問3 

A問題では、イスタンブールのトプカプ宮殿に収蔵されている中国製磁器に関して推測問題、組み合わせ問題、正誤問題が出題されました。

問1は年号から当時の貿易ルートを推測する問題でした。当時のマラッカは東洋貿易の拠点だったという事実を理解しておきましょう。

問2は組み合わせ問題でした。年号より、銀の流出と同時期になると推測しましょう。アメリカ大陸や日本からの銀の流入が要因の一つであったということも知っておく必要があります。

問3は18世紀のヨーロッパの習慣として、パンの作成が間違っています。

 

B問題では、3種類の貨幣の画像とその説明から、正誤問題、空所補充問題、年代配列問題が出題されました。

問4は正誤問題でした。鳩摩羅什は仏典の翻訳をしましたが広めてはいません。法顕はインドに旅して、「仏国記」を記しました。

問5は空所補充問題でした。空所前部から、パルティアを滅ぼしたササン朝を連想しましょう。ササン朝はゾロアスター教を国教としたことで有名です。

 

④大問4

A問題では、国家間の関係に関するリード文から、正誤問題、複数選択問題が出題されました。

問1は正誤問題でした。ユーゴスラヴィア連邦は20世紀末に解体したため、誤っています。

問2は複数選択問題でした。ポーランド分割から、参加国を思い出しましょう。

 

B問題では、中国の王朝に関する資料から、組み合わせ問題、正誤問題、推測問題が出題されました。

問3は組み合わせ問題でした。中国は絹織物が有名だったのでアはbです。資料から推測しましょう。

問4は正誤問題でした。630年の中国王朝は唐です。この税制は両税法です。

問5は推測問題でした。資料2の内容と世界史の知識を使って推測しましょう。

 

⑤大問5

経済・統計の資料に基づく、授業のような会話文形式の大問でした。正誤問題、組み合わせ問題が出題されました。

問1は正誤問題でした。因果関係が違う3が正解です。

問2はアメリカのプランテーションに関する知識とその説明に関する問題でした。

 

 

センター試験(2020年度版)の「世界史」の試験分析

続いて、センター試験(2020年度)の世界史の試験分析です。早速見ていきましょう。

 

①大問1

A問題では、中世後期のフランドル地方に関するリード文から、下線部の引かれていた ①イタリア、②交易、③宮廷 に関する正誤問題が出題されました。

問1は①イタリアに関連して。当時のヨーロッパで聖職叙任権をかけて対立していたローマ教皇と神聖ローマ皇帝に関して、ローマ教皇を支持する陣営をゲルフ(教皇党、教皇派)

神聖ローマ皇帝を支持する陣営をギベリン(皇帝党、皇帝派)と呼びました。

問2は②交易に関連して。公行に貿易管理をさせたのは清であること、公行が廃止されたのがアヘン戦争の講和条約である1842年の南京条約であることを覚えておきましょう。南京条約によってイギリスによる中国の半植民地化が始まったというわけです。

問3は③宮廷に関連して。中世ヨーロッパ(特にフランスやドイツ)で「恋愛」をテーマに吟遊詩人が叙事詩を歌いました。この「恋愛」というテーマを変えて正誤問題で出題されることもあります。

 

B問題では、古代アテネ・ギリシアに関するリード文から下線部の引かれていた ④古代アテネ、⑤支配体制、⑥古代ギリシアを「古典」として強要した近代ヨーロッパ に関する正誤問題が出題されました。

問4は④古代アテネに関連して。ミケーネ文明を築き上げたのはギリシア人です。同時にクレタ文明を築き上げた民族は不明であるということも覚えておきましょう。

問5は⑤支配体制に関連して。この問5は出題ミスで全員正解のため、省略します。

問6は⑥古代ギリシアを「古典」として強要した近代ヨーロッパに関連して。aは正しいことを言っていますが、bは間違いです。インドのガンダーラ美術は、古代ギリシアのヘレニズム美術の影響を強く受けています。資料集にその写真も載っていますよ。

 

C問題では、アメリカ大陸とキリスト教に関するリード文から下線部の引かれていた ⑦文化、⑧指導者、⑨南北アメリカ に関する正誤問題が出題されました。

問7は⑦文化に関連して。授時暦を作成したのは元の郭守敬です。唐代ではありません。また、今まで正文選択問題が続いていましたが、この問7は誤文選択問題なので間違えないように気をつけましょう。

問8は⑧指導者に関連して。アギナルドは1898年にフィリピン共和国独立を宣言し、初代大統領になった人物です。フィリピン独立運動の有名な指導者としてホセ=リサールも同時に覚え、区別しておきましょう。

問9は⑨南北アメリカに関連して。マヤ文明で行われていたこととして、神殿やピラミッドの建築、20進法、精密な暦法、マヤ文字、天体観測などを覚えておきましょう。古代アメリカ文明で出てくる他の文明との共通点・相違点にも注意して区別しておく必要があります。

②大問2

A問題では、イギリスとフランスの戦争や対外関係に関するリード文から下線部の引かれていた ①抗争、②割譲、③言語 に関する正誤問題が出題されました。

問1は①抗争に関連して。ユトレヒト条約はスペイン継承戦争、並びにアン女王戦争の講和条約です。イギリスの帝国形成に大きな影響を与えたこの講和条約では、イギリスが一人勝ちしています。aは誤文です。イギリスがフランスから獲得したのはハドソン湾地方・アカディア・ニューファンドランドです。bも誤文です。フランス王位継承権を主張したのはエドワード3世です。

問2は②割譲に関連して。ロシアはブハラ=ハン国・ヒヴァ=ハン国、コーカンド=ハン国の三ハン国を南下政策で支配しました。ブハラ=ハン国とヒヴァ=ハン国は保護国化しています。

問3は③言語に関連して。大航海時代の幕開けによる海上貿易の活発化に伴って、アフリカ大陸東部の海港都市でスワヒリ語という共通語が用いられるようになりました。海港都市の名前も複数暗記しておきましょう。

 

B問題では、第二次世界大戦後のアメリカとソ連による冷戦に関するリード文から下線部の引かれていた④覇権国、⑤ソ連、⑥冷戦 に関する正誤問題と年代正序問題が出題されました。

問4は④覇権国に関して。この問題も大問1の問7と同様に、誤文選択問題なので間違えないように気をつけましょう。列強の中国分割に対し、門戸開放・機会均等・領土保全を提唱したのはアメリカの国務長官ジョン=ヘイです。なお、当時のドイツはビスマルク引退後でヴィルヘルム2世の世界政策の展開真っ只中だったことも暗記しておきましょう。

問5は⑤ソ連に関して。対ソ干渉戦争は、ロシア革命後のロシア社会主義化を妨害するべく資本主義列強が反革命軍を援助しようと行ったものです。事実だけではなく、「なぜ?」にあたる理由の部分も理解しておきましょう。

問6は⑥冷戦に関して。この問は並び替え問題でした。aの経済相互援助会議(コメコン)はアメリカのマーシャルプランに対抗してソ連と東欧の社会主義国が組織したもので1949年に発足しました。bのソ連のアフガニスタン撤兵は、冷戦期の1985年にできたゴルバチョフ政権が行った新思考外交でなされました。cの第1次戦略兵器制限交渉(第1次SALT)は1969〜72年にアメリカとソ連によって行われた、戦略兵器の制限に関する交渉です。以上を並び替えると解答はa→c→bの順番になります。

 

C問題では、鄧小平による日中関係の発展に関するリード文から下線部の引かれていた ⑦外交、⑧鄧小平、⑨日中関係 に関する正誤問題が出題されました。

問7は⑦外交に関して。ブラントとは、第2次世界大戦後のドイツ社会民主党の政治家です。ドイツのナチス政権の非を認め、東欧社会主義国・東ドイツとの関係改善に努めた人物で、ドイツ統一のキーパーソンなので覚えておきましょう。

問8は⑧鄧小平に関して。鄧小平は現代の中国の原型を作った最も重要な人物の一人です。

毛沢東の右腕として支え続けましたが、文化大革命によって「走資派」として批判、失脚させられました。

問9は⑨日中関係に関して。ベトナム戦争期に訪中したのはアメリカのニクソンです。また、中国と関係を悪化させていたベトナムは、カンボジアのポル=ポト政権が中国よりの姿勢を見せたことでベトナムによるカンボジア侵攻が行われ、ヘン=サムリン政権を擁立しました。これによって、懲罰として中越戦争が起こりました。

 

③大問3

A問題では、15世紀エジプトの書記官、カルカシャンディーという人物と書物に関するリード文から下線部の引かれていた ①カリフ、②書物の文化、③翻訳 に関する正誤問題と年表補充問題が出題されました。

問1は①カリフに関して。カリフを宣言したファーティマ朝が成立したのは10世紀はじめです。910年にカリフを宣言したことを知っていれば、bであるとわかります。

問2は②書物の文化に関して。古代中国の殷墟から、甲骨文字が刻まれた亀甲・獣骨が大量に出土したことは有名です。

問3は③翻訳に関して。鳩摩羅什は西域の亀茲出身で、大乗仏教を学んだ高僧です。長安でたくさんの仏典の翻訳を行いました。

 

B問題では、大英博物館図書部と文献に関するリード文から下線部の引かれていた ④植民地化、⑤旅行記や地理書、⑥1848年革命 に関する正誤問題が出題されました。

問4は④植民地化に関して。イギリスは1815年のウィーン議定書で、旧オランダ領だったスリランカを獲得しました。ウィーン議定書の内容はしっかりと暗記しておきましょう。

問5は⑤旅行記や地理書に関して。ab両方共正しいことを言っています。文化史も抜け目なく学習しておきましょう。

問6は⑥1848年革命に関して。1848年にドイツでフランクフルト国民会議が開かれました。フランスの二月革命の影響で起こったいろいろな運動や動きはしっかりと整理しておく必要があります。

 

C問題では、イマニュエル=カントに関するリード文から下線部の引かれていた ⑦未成年、⑧ドイツ、⑨書物 に関する正誤問題と地図問題が出題されました。

問7は⑦未成年に関して。産業革命後のイギリスで起こった労働問題に関する問題でした。児童や未成年の労働に関して問題提起したのはイギリスの工場経営者ロバート・オーウェンです。彼の運動によって1833年に工場法が制定されました。

問8は⑧ドイツに関して。ナチスドイツがポーランドに対して返還を要求したのはダンツィヒです。ダンツィヒはバルト海に面した港湾都市であるため、地図はaが正しいです。

問9は⑨書物に関して。古代インドの「マヌ法典」はヒンドゥー教の規範の法典です。特徴としては、法律の色が強いわけではなく、宗教や道徳、生活の規範になっているということです。ヴァルナごとに細かく細分化されていることもおさえておきましょう。

④大問4

A問題では、漢の武帝が新設した都市に関するリード文から下線部の引かれていた ①漢の武帝、②都、③ユーラシアの東西を結ぶ人やモノの動き に関する正誤問題が出題されました。

問1は①漢の武帝に関して。漢の最盛期を築き上げた武帝は、西域や南越など、各地に勢力を拡大していきました。武帝の外征に関してはしっかりと覚えておきましょう。

問2は②都に関して。唐の都である長安には、ゾロアスター教・ネストリウス派キリスト教、そして安史の乱をきっかけにマニ教の寺院が立てられました。

問3は③ユーラシアの東西を結ぶ人やモノの動きに関して。サータヴァーハナ朝は、インドに興り海上交易国家として発展したことは有名です。

 

B問題では、海外交易の活発化に伴う日本人の海外渡航に関するリード文から下線部の引かれていた ④各地を巡った日本人が多数存在した、⑤船、⑥芸能 に関する正誤問題が出題されました。

問4は④各地を巡った日本人が多数存在した に関して。ドイツ人による東方植民は中世に行われ、12世紀以降活発になりました。

問5は⑤船に関して。ペルシア戦争で三段櫂船の漕ぎてとして活躍した無産市民は、ペルシア戦争後発言力を高めたことは押さえておかなくてはならないポイントです。

問6は⑥芸能に関して。音曲(楽曲)にあわせてうたう詩が流行したのは隋代ではなく宋の時代です。文化史の細かい知識の把握求められている問題なので注意しましょう。

 

C問題では、第1次世界大戦中の日本の動きに関するリード文から下線部の引かれていた ⑦オーストリア=ハンガリー帝国、⑧移送、⑨東欧 に関する正誤問題とグラフ問題が出題されました。

問7は⑦オーストリア=ハンガリー帝国に関して。問題文の「ナジ」とは

「ナジ=イムレ」のことを指しています。1953年にハンガリーの首相になった人物です。

問8は⑧移送に関して。大航海時代のきっかけとなった人物です。バルトロメウ=ディアスがアフリカ大陸南端の喜望峰に、ヴァスコ=ダ=ガマがインドのカリカットに到達下のことは暗記必須事項です。しっかりと区別しておきましょう。

問9は⑨東欧に関して。a→セルビアがオスマン帝国から独立したのは露土戦争の講和条約、つまり1878年です。グラフとは一致していません。b→サライェヴォ事件のことです。サライェヴォ事件は1914年で、その翌年の1915年の年間死亡者数は20万人を超えており、グラフと一致しています。

 

センター試験と大学入学共通テストの試行問題のここが違う!共通テストをもとに解説!

さて、最後にセンター試験と大学入学共通テスト施行問題の違いを象徴するような問題を解説していきます。個人的に、センター試験と切り口が違うなという問題は大学入学共通テスト施行問題の大問5番です。以下問題を解説していきます。

大学入学共通テストはセンター試験とは違い、歴史事項に関する正誤問題が大半を占めているわけではありません。共通テストの問題の中には、教師と生徒の対話や生徒同士の話し合いのシチュエーションの問題が出題されます。これらの問題では、彼らの話し合いの中から解答のためのキーワードを見つけ、それらをヒントに各問に解答する方法が最も安全かつ効果的です。実際に表やグラフを確認してそこから得られる情報をもとに解答する問題も試行問題では出題されました。事項に対する知識だけではなく、資料集などから周辺知識も獲得することが必要になると推測できます。

 

共通テストの世界史の問題で高得点を目指すために必要な対策方法

 

歴史の流れを理解する

共通テストで高得点をとるためには、歴史事項に関する細かい知識よりも周辺知識を獲得することであったり、状況からその用語などを推測することです。

従来のセンター試験とは違い、暗記だけでは対処しきれない部分がたくさんあります。一問一答の暗記以外にも、資料集や教科書などにしっかり目を通し、普段の学習から事象に関する原因と結果、また他にも関連する事項や地図もしっかりと覚えておく必要があります。

逆に、用語に関する細かい知識がなくても、当時の状況から推測する力を養っておけば解答することも出来ます。時代ごと、地域ごとに覇権国を知っておくこと、歴史を「流れ」から正確に理解することが共通テストで求められるでしょう。

具体的に参考書を挙げると、『ヨコから見る世界史』、『タテから見る世界史』シリーズがおすすめです。時代ごとの体系的な知識や、出来事の大まかな流れを理解するのに最適な教材です。

 

共通テスト本番を想定した演習

全体的に大きな漏れなく知識が整理できてきたら、共通テストに即した問題演習に入りましょう。過去2回の試行問題だけでは対策が不足するので、河合塾、駿台、東進などの共通テスト用問題集に記載の各社オリジナル問題、また学校指定以外の模試も積極的に受けましょう。

 

まとめ

最後にここまでの内容をまとめます。

 

【センター試験の特徴】

・正誤問題が大半を占めます。

・既存事実を暗記することで正解できます。

・地図やグラフ、画像などはあまりありません。

 

【大学入学共通テスト試行問題の特徴】

・年号暗記が解答に役立ちます。

・考えなければ解けないような問題が出題されます。

・干渉関係を知っておく必要があります。

・答えが複数ある問題が出題されます。

・推測して解答する問題が出題されます。

 

【センター試験と大学入学共通テストの違い】

・単純な知識だけでは正解できない

・正誤問題の量が違います

・考えさせる問題が増えます

・年号や干渉関係などの周辺知識が必要になります

 

 



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