英語民間試験導入延期で落ち込んでいる受験生への3つの活用法

「英語民間試験見送りなんですか?なぜでしょう?」

「私、英検とか頑張って勉強してたのに…。結局それも無意味なんですか?」

あなたはこうお悩みではありませんか?

英語民間試験が2019年の11月に文部科学省より「一旦2020年度の共通テストでは見送る」と発表しました。この発表に困惑している高2生や高1生も多かったのではないでしょうか?

今回は英語民間試験についてや、なぜ共通テストに英語民間試験を導入しなかったのか?の理由について、そして民間試験の活用法についてご紹介します。

 

英語民間試験を活用するとは?|大学入学共通テスト 豆知識

英語民間試験活用とは、大学入学共通テストで、英語4技能(読む・書く・聞く・話す)を測るために、一斉に試験をするのは難しいために、「英検等の外部試験を活用しよう」というコンセプトからうまれました。

 

従来のセンター試験や一斉試験では、英語の技能において話す力(目の前の人と英語でコミュニケーションする力など)などが測れていませんでした。バランス良く4技能を測定するために、英検などの外部試験を活用しようという考えにより、英語の外部試験導入がなされました。

 

共通テストで活用できると言われていた外部試験は主に7つありました。順を追って説明していきます。

①ケンブリッジ英語検定

ケンブリッジ英語検定とは、イギリスのケンブリッジ大学のNPOであるケンブリッジ大学英語検定機構が開発した試験です。世界130カ国にある2800の試験センターで年間を通じて試験を受けることができます。日本でも11箇所で受験可能です。リスニング、スピーキング、リーディング(文法や語彙を測る試験もある場合もあります)・ライティングなど多角的に英語力を測ることができます。ランクはA2からC2まで6段階あります。

○リスニング…英文は2回ずつよまれます。英検等に比べると英文が2回読まれるのでやりやすい部分もあるかもしれませんが、英文の読み上げスピードが早いため苦戦するかもしれません。

○スピーキング…1人の試験監督者と2人の受験生で試験が行われます。対試験監督とのやり取りにとどまらず、受験生同士でディスカッションを行うなども試験に含まれています。見ず知らずの人と英語で会話を交わすことに抵抗があると取り組みづらいかもしれません。

○リーディング…90分の試験時間に多くの英文を読む必要があり、選択肢も紛らわしいので非常に難しいです。

○ライティング…制限時間90分で約250語の英文を2つずつかきあげます。

②英検

英検とは、実用英語技能検定の略で民間団体が主催する英語技能の検定試験です。英検は5級から1級まで7段階にわかれています。5級、4級はリスニングのリーディングの力のみ図りますが、3級以上になると筆記試験・リスニングテストに加え、試験監と面接形式でスピーキングテストが行われます。

○リスニング…準2級以上は英文が1度しか読まれません。1次試験の際にリスニングのパートという形でテストされています。

○スピーキング…3級以上を受験する方は、1次試験合格すると2次試験という形で面接式の試験が行われます。英文を読み上げる発音や試験監督との応答や積極性などを総合的に評価します。

○リーディング…文法問題だけでなく、長文問題、会話文の応答問題など幅広く出題されます。

○ライティング…3級以上を受験する受験生に課せられます。お題が与えられそれに対して英作文を書いていきます。

 

※弊社では英検についても詳しい説明の記事を執筆しています。ぜひご覧ください。

【英検丸わかり】読むだけで、英検・英検CBT・英検2020 1 day S-CBTの違いがあっという間にわかる!

③GTEC

GTECとは、ベネッセ(ベネッセコーポレーション)が1998年に提供し始めた4技能の英語能力を測定するテストです。CBT、Advanced、Coreなどいくつもの受験スタイルがあります。スピーキング試験は、CBT方式で受験すると、受験生がパソコンと対面して受験する形式を採択し、マイク付きのヘッドホンに声を吹き込んで、話していくことで英語のスピーキング能力を測定していきます。

○リスニング…英文を聞いて、全体の概要および要点を把握する問題があります。また与えられたタスクを行うために必要な情報を聞き取る問題もあります。

○リーディング…英文を素早く読んで、全体の概要および要点を把握する問題や目的や趣旨をよみとりながら文章の要点を問うような問題もあります。

○スピーキング…質問に即座に答える問題から、お題を渡され質問者自ら質問を考える問題もあります。

○ライティング…与えられた英文と状況設定を読み、条件にあった内容を書く問題もあります。

④IELTS

IELTSとは、海外留学や研修のために特にイギリス等に留学等をする場合に必要となる試験です。リスニング(40問)、リーディング(40問)、ライティング2つの文章について書いていく、スピーキングは質疑応答やディスカッションなど幅広い面で英語が話せているかコミュニケーションできているか測定します。

 

⑤TEAP

TEAPとは上智大学と日本英語検定協会が共同で開発したテストです。大学教育レベルにふさわしい英語力を測るテストになっていると言われています。

○リーディング…マークシートによる解答をします。

○リスニング…マークシートにより解答します。音声はすべて1度しか読まれません。

○ライティング…グラフや図表などを読み取りながら行う課題と、評論分の要約を書く英作文を2つがあります。

○スピーキング…試験監督と1対1で行われる面接方式です。

 

⑥TEAP CBT

TEAP CBTとは、コンピューターを用いてICT方式で試験を行います。録音方式でスピーキングの問題を解いたり、リスニングの内容をキーボードでディスプレイに打ち込んだりなどという形でコンピューターの力をうまく使って受験を行います。

 

⑦TOEFL iBT

TOEFL iBTとは、指定されたテストセンターでコンピューターを使って受験します。マイクを使って自分の音声を録音しスピーキングを測るなど、全てICTの力を利用して受験します。

 

以上7つの試験について簡単にご紹介しました。英語を使って人と話すのが緊張するという方には、自分の音声を録音してICTを利用するなどの方法も合うのかもしれませんし、試験問題も各検定試験で、カジュアルな英文が多い試験もあれば、社会問題や時事問題の背景知識がなければ解きづらい試験問題もあります。自分にあった試験を選んで受験すると良いのかもしれません。

 

 

なぜ大学入学共通テストで英語の民間試験導入が延期されたのか?3つの理由

 

では、なぜ大学入学共通テストで英語の民間試験が延期されたのでしょうか?弊社の様々な記事ですでに書いているものもあり重複する部分もありますが記載していきます。

 

民間試験導入延期の理由① 地域格差があるから

民間試験等は出題形式に「なれる」ことで、成績があがる場合があります。実際に民間試験の結果の中で共通テストで使えるのは高3等の学年が受けた2回の試験のつもりでしたが、実際に民間試験になれるために、お試しで受験する受験生もいるかもしれません。また、地理的に恵まれた環境(試験会場に近い人)とそうでない人(僻地等に住んでいる人)の差が激しく、受験したくても受験できない人がいたり、経済的な理由で何度も受験できない人もいるかもしれず、学力の差が経済的な差や地域による差と関連してしまう可能性もあり、公平性が担保されない可能性があるのです。

 

民間試験導入延期の理由② 学習指導要領との整合性

民間試験はそもそも高等学校の英語の学習指導要領に整合するように設計された試験でないものもあります。民間試験の中には、英語圏の大学に留学や入学する際に利用する試験もいくつかあります。そのため、その試験と高等学校の指導要領が語彙数などの面であっていない可能性があるのです。また、共通テスト対策を学校ですることで、指導要領に則りながら民間試験の対策をすることが難しい可能性があるのです。

 

民間試験導入延期の理由③ 異なる試験の得点を公平に採点できるか?

共通テストに使用する予定だった外部試験は7つあると言われています。その7つの試験もCEFRという概念を導入することで、各点数ごとの換算表がありました。しかし、これらはそもそも異なる民間試験を同じ指標に換算できるのか疑問に残ると考える人もいます。

 

これら以外にも、英語の民間試験導入により、大学受験勉強の前倒しによる懸念が高校の先生等からも疑問視する声等が上がっていました。

 

このような経緯から、大学入学共通テストにおける民間試験の導入は2020年度は延期となりました。

大学入学共通テストの記述試験・英語外部試験導入はなぜ延期されたのか?

※弊社でも英語外部試験(民間試験)導入延期の理由を記載しています。ぜひご覧ください。

英語の民間試験の活用法

ここまで大学入学共通テストで使われる予定だった英語の民間試験となぜ共通テストに民間試験が導入されなくなったのか理由を記載していきました。

 

ここからは、もう英語の民間試験をとってしまった人の活用法についてご紹介します。

弊社でも英語民間試験についての記事を作成しています。March受験生用に作成した英語民間試験の活用法の記事もあります。こちらもよければご参考ください。

参考:【march受験生必見!】英語民間試験が使えるマーチの学部徹底解説

民間試験活用方法① 推薦入試やAO入試などで利用する

大学入試において、推薦入試やAO入試(今後文言は「AO入試」は「総合型選抜」という名称に、「推薦入試」は「学校推薦型選抜」に変わります。)でも、頑張った証として民間試験は活用できる可能性があります。

 

弊社でも推薦入試等についての記事も執筆しています。よければご覧ください。

参考:推薦入試希望者が、読んであっという間にわかる共通テスト導入による3つの変化

 

民間試験活用方法② 活用する予定の大学を受験する

一部の国公立大学では、民間試験を活用するケースがあると言われています。例えば、出願資格として民間試験を活用したり、英語の試験を免除しみなし満点とする大学などもあります。また私立大学でも同じく一部の大学で活用するケースがあります。

 

あなたが受けた民間試験が受験で使える!|厳選国公立大学7選

※国公立大学の一部では外部試験活用できるようでした!

 

大学受験生必見|CEFR(セファール)と外部試験が大学入試での活用法

※弊社でも、早稲田大学、上智大学で外部試験の活用例を記事の後半で記載しております。良ければご覧ください。

 

民間試験活用方法③ 大学に入学してから活用する

受験が終わってからも民間試験は活用できるケースがあります。例えば、英検等である一定の級を持っていると単位変換されたり(単位を習得したとみなす)、留学をする際の足切りに民間試験が利用できる可能性があります。またアルバイト等をする際にも民間試験でのスコアが高いことでバイトが決まりやすいケース等もあるかもしれません。

 

まとめ

いかがだったでしょうか?民間試験について、共通テストで使用される予定だった民間試験の簡単な説明、共通テストで民間試験が活用されなくなった理由、そして民間試験の活用法の3つについてお伝えいたしました。

最後に今回の内容をまとめます。

 

  1. 共通テストに使われる予定だった民間試験は、「ケンブリッジ英語検定」「英検」「GTEC」「IELTS」「TEAP」「TEAP CBT」「TOEFL iBT」の7種類がありました。※でも、2019年11月に文部科学省より、2021年度は共通テストにおいて民間試験は活用しないと発表がありました。
  2. 共通テストに民間試験が導入されない理由として、①地域格差、②指導要領との差異、③いくつものテストを1つの指標を用いて横並びで利用することが無理があるのではないかという懸念などがあります。
  3. 民間試験活用法として、①AO入試や推薦入試で活用する。②大学でも民間試験を活用する大学を受験する。③大学に入ってから利用する。の3つがあります。

 

不透明な部分が多い共通テストですが、少しずつわかってきている部分も増えてきています。弊社でも最新の情報をお伝えしながら皆様の受験のサポートができればと思っています。

また弊社では受験相談も行っております。受験勉強や大学進学等でお悩みの方にも1人ひとりの立場や状況に合わせて相談に乗らせていただいております。なにかお困りの事がありましたらお気軽にご連絡ください。



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