英語民間試験は延期?!共通テストの英語外部試験導入の問題点

こんにちは、アクシブblog予備校です。

 

今回は英語外部試験導入延期や英語民間試験の導入の問題点等を解説していきます。

 

2019年11月に、文部科学大臣の記者会見において、共通テストの英語民間試験の導入を延期すると発表しました。経済的な理由、住んでいる地域に関わらず等しく安心して受験できるシステムになっていないのではないかという理由で英語民間試験導入は延期となりました。

 

  • そもそもなぜ英語民間試験は導入されたのでしょうか?
  • そしてなぜ英語民間試験は延期されたのでしょうか?

 

今回は皆様のこれらの疑問に答えていきます。

英語民間試験の導入背景

 

ではそもそも大学入学共通テストに英語民間試験が活用されると決まったのでしょうか?そこにはいくつかの理由があります。

 

①グローバル化が進むため、海外の人とコミュニケーションを取り協働する為には、英語の4技能の力が必要だから

近年、日本では急速なグローバル化が進んでいます。そのため、海外の方とやり取りをすることが増えた為英語等の外国語を使ったコミュニケーションをする可能性が増えてきました。しかしながら、高校生の英語力は「英語を話すこと」、「英語で書くこと」について課題があると年々指摘されていました。例えば平成29年度の英語力調査結果(高校3年生)によると、「英語を話すこと」、「英語で書くこと」の力は全体的に低いそうです。具体的には無得点者が18%前後いて、英語を話す力や書く力は一定数の高校生等が到達していない可能性があるのです。そのため、高校生時点で、「英語で話す力」、「英語を書く力」が弱い可能性があり、高校生たちが大人になり、今後もグローバル化が進む可能性が高いので、海外の人と協働できず、当人たちが困る可能性があります。

 

そのため、大学入試の時点において、高等学校段階までにどれだけ英語力が着いたのか4技能すべての力を適切に測定する必要があります。それもあり、大学入学共通テストに英語民間試験が導入される予定でした。

 

参考:平成29年度 英語力調査結果(高校3年生)の概要

 

※なお、英語4技能とは、英語を「読む」、「聞く」、「話す」、「書く」の4技能のことです。

 

②英語民間試験が導入され、英語の4技能が大切であることを伝えることで高校の現場での授業が変わる可能性があるから

2つ目に英語民間試験が大学入学共通テストに導入されることで、英語の4技能の力をつけることが大切だ(少なくとも必要だ)と現場に伝わる可能性があります。現在も、統合的な言語活動を行っている学校の方が、英語4技能の技能が高いという調査結果もあります。今までは、大学入試(センター試験)で図る力が、「読む力」と「聞く力」中心であったことから、学校の授業でも、文法や読解などに時間をさかざるを得ない状況ではありました。しかし、英語民間試験を共通テストに導入することや高校生の英語4技能を育む必要性から、授業が一方方向の授業にならず双方向で展開するような授業に変わったり、英語を実際に使用する場面を想定した授業内容等に変わる可能性があります。そのため、大学入学共通テストに英語民間試験を導入し、高校での授業スタイルをかえ、生徒の学べる内容を少しずつ変えていこうという働きなのだと思います。

現に英語講師である、安河内氏は、「テストが 4 技能を測定するものなら、4 技能が鍛えられる」と伝え、英語の4技能がバランスよく養える授業でより英語のコミュニケーション力が養えると考えられているが、現実問題大学入試のスタイルが変わらなければ、これら4技能をバランスよく養える授業を行うことは難しい可能性があります。高校の先生たちも「よりよい英語力を高校生が養えるように指導したい」と思っても、1つのゴールである大学入試が4技能を測定するテストでなければ、どう授業を運営していいか高校の講師達も迷う可能性があります。そのため、大学入試での英語の試験を変えることで、高校で行われる授業にも良い影響を与えようというのが共通テストの英語民間試験導入のねらいです。

 

参考:大学入学共通テストにおける英語試験再考 ―高校現場の反応を踏まえて―

 

③英語4技能を測定する試験を行いたいが、「英語を話す力」、「英語で書く力」を同一日程一斉実施は難しいから

英語4技能を測定するような試験は行いたいと考えられているものの、実際にこれらを同日に実施することは困難だといわれています。そのため、実際に英語4技能をはかることにおいて総合的に評価されている試験を代わりに導入することになりました。

 

これらの理由で英語民間試験が大学入学共通テストに導入される予定でした。当初の流れでは、以下のように導入予定でした。

 

  1. 英語民間試験のうち、試験内容や実施体制などが十分であると判断された試験を「認定試験」とする。
  2. 国は各試験内容とCFERの段階別成績表の対応表を作成する。
  3. 大学入試センターは、高校3年生の4月から12月の間の2回までの試験結果を各大学に送付する。

 

これらのことがすでに決まっていました。しかし、様々な問題点が見つかり、英語民間試験は導入は延期されました。

 

英語民間試験の導入延期の理由

ここまで、英語民間試験導入の理由は説明しました。これから英語民間試験導入延期の理由をご紹介します。

 

問題点①学習指導要領との整合性

高校で英語を指導している各教員からは「英語の民間試験導入がなされることで、指導要領と合致しない部分も対策する必要があり、どう授業していいかわからない」という不満の声は多く上がっている。特に、英語の民間試験の中には、TOFLEのように、北米の大学・大学院に留学した際に利用するような検定もあり、それらの英単語を高校の授業に触れながら高校の指導要領に準拠するのは難しいそうです。

 

問題点②地域や家庭状況による不公平

民間試験を活用とすると、今までのセンター試験のような一発勝負出なくなるため、経済格差や地域格差が生まれてしまうのではないかと考えられています。具体的には、民間試験を活用する場合、受験料が別途かかるため、家庭で経済的に苦しい家計では、家庭への負担があります。そのうえ、経済的にややゆとりのある家庭や教育熱心な家庭であれば、本番の試験(実際に大学入試センターに送る試験)まで、何度も試験をうけ試験慣れした状態で本番を受けている可能性もあります。家庭の教育観や経済的な背景によって子どもたちの成績が左右される可能性があり不公平になる可能性があります。また、各民間試験は大都市圏にいるほど受験回数は多いため、地域格差などが生まれるのではないかという指摘もあります。

 

問題点③各民間試験の比較可能性とCFERの対応表の適切性

各民間試験が、目的や難易度がそもそも異なるので、民間試験を比較して使用するのが可能なのか?という声も複数あがっています。一応CFERの対応表は文部科学省がすでに講評していますが、そのうえで、本当にこれらは比較可能なのかは問題視されているようです。またCFERについて熟考すると、「○○のことができる」というゆるやかな判断基準であるため、これらの対応表が民間試験の一点刻みの試験と対応するのかという疑問もあがっています。

 

問題点④出題・採点の室及び公正性の保障

どのような資格をもった人が採点したり出題しているのかは各民間試験の業者任せになっている可能性があります。また、巷では、民間試験ではとある高校教員がスピーキングの面接監督になる可能性があると言われています。そのため、面接の実際を知っている高校教員が所属している高校と、面接の実態を知らない高校教員がいる高校とでは、高校の授業の質が変わる可能性があり、単純に不公平であるかもしれないという声もあがっているのです。

 

問題点⑤学校生活、部活、行事への影響

英語民間試験導入により、実際に大学入試センターに送るのは高校3年生の頃の成績ではあります。しかし、高校3年生になるまでも民間試験の予行練習等で何度も受験をしたり、民間試験の対策講座等が実施されれば学校行事や部活動の参加も困難になる可能性があるのです。

 

いかがだったでしょうか?このように民間試験の導入はいくつかの問題点があったのです。

 

参考:大学入学共通テストへの民間試験導入の見直し −−英語教育のあるべき姿に向けて−−

もしもう英語民間試験を取得していたら…?活用法

実際に英語民間試験をすでに取得していましたが、大学入学共通テストに使えないとがっかりしている方もおられるかもしれません。その際でも民間試験は他の場面において使える可能性があります。

 

①推薦入試等で使用する

推薦入試、とりわけAO入試や学校選抜型入試等様々な入試形態がありますが、これらで英語民間試験の結果を使用する方法もあります。自分が高校のあいだがんばったことの一つとしてこれらを紹介することもできるかもしれません。

 

②民間試験を使用できる大学をチェックする

大学のいくつかではすでに民間試験を使用すると伝えている学校もあります。国公立大学でも実際に使用する学校もあるようです。もし自分の志望校に使えそうな大学があれば使ってみると良いと思います。

 

参考:あなたが受けた民間試験が受験で使える!|厳選国公立大学7選

 

まとめ

いかがだったでしょうか。民間試験導入の大学入学共通テスト導入の背景や問題点が伝わったでしょうか?教育改革の変わり目で大学受験も激変する難しい時期ではありますが、常に最新の情報を得ながら受験戦略を考えていくと良いと思います。

私たちも高校生や受験生に向けて受験情報を発信していければと思っているので良かったら見ていただけたら嬉しいです。



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