【共通テスト日本史B】試行問題から見る、センター試験とのちがいと対策法

いよいよ来年から、センター試験に代わって大学入学共通テストが始まります。

共通テストは前例のないものなので、センター試験のように過去問も明確な対策法も存在せず、受験生のみなさんは不安な状況だと思います。

そこで本ブログでは地歴公民科目の1つ、「日本史B」について来年度以降の共通テストの展望を見ていこうと思います。

共通テストでは、これまでのセンター試験から一定程度の出題内容の変更が余儀なくされます。

当然、受験本番に向けた準備も変えていかなければなりません。

以下では最新の2020年度センター試験との比較を交え、これまでの2回の共通テストの試行問題の概観を紹介していきます。

加えて、共通テストの日本史Bではどのような出題がされそうなのか、またそれに向けた対策法もあわせて解説していきます。

 

大学入学共通テストの概要と、センター試験と共通テストの違い

printed sticky notes glued on board

 

大学入学共通テストの概要 

第1回の共通テストに関して、現段階で決まっていることとしては、

試験時間:60分

配点:100点

という大枠の情報のみです。

これまでのセンター試験から引き続き、大問数やトータルの問題数、出題分野などの事前告知はありません。

ただ試験主催者の出題方針として、

・歴史的事象の意味や意義、特⾊や相互の関連等につ いて、総合的に考察する⼒を求める

・初⾒の資料であっても、そこから得られる情報と授業で学んだ知識を関連付ける問題

・仮説を⽴てて、資料に基づいて根拠を⽰したり検証したりする問題

・歴史の展開を考察したり、時代や地域を超えて特定のテーマについて考察したりする問題

と発表されています(参考)。

 

このことから、そもそもの歴史教育の意義に立ち返り、物事の意味を多角的に解釈したり、資料を踏まえて仮説思考を働かせて解答する必要があると思われます。

 

大学入学共通テストの試行調査とセンター試験との違い

続いて、これまで実施された2回の試行調査と、これまでのセンター試験がどう違うのかについて簡潔にお伝えします。

1.歴史史料や文章、グラフなどの資料の量が増加

まずは、図版・史料、問題で提示されている文章など、事前提示の情報が大きく増加しました。これらから直接情報を読解・考察するものや、基礎知識や歴史的背景を織り交ぜて解答するものが多く見られました。歴史史料やその解説資料から正しく情報を解釈して、解答する必要があります。

正確に資料を解釈していくためにも、時代背景の正しい理解が大きな補助になります。

2.読解力で解答する問題が増加

上でも述べていますが、事前提示の史資料をベースに、論理的に読解・思考する問題が大幅に増えました。

反して、教科書的な知識で解答できる問題はセンター試験に比べて減少しています。

歴史用語だけで正誤を判断できるような問題はかなり少ないです。

現代文の学習のように、文章を論理的に読解する力が必要です。

 

いずれにしても、用語のつめ込みなどの断片的な暗記では、センター試験以上に高得点が望めない構成になっています。

ただ、必要な知識量としてはセンター試験の時とさほど変わらないでしょう。

 

大学入学共通テスト 2017年度試行調査総括

 

上でも述べたように、史資料を用いた問題が増え、そして全体を通して思考問題が多数を占めました。

単純に知識で正答できる問題は少なくなっています。

新傾向の思考系問題が多く出ましたが、全体の難易度としては例年のセンター試験とさほど変わらないレベルに落ち着いているでしょう。

 

大学入学共通テスト 2017年度試行調査の分析

person sitting on chair holding iPad

 

それでは直近の共通テストのプレテストの中身を、設問に沿って見ていきましょう。

大学入試センターのサイトに問題と解答が記載されているので、そちらも参照しながら読んでいただければ便利かと思われます。

大学入学共通テスト 平成29年試行査

 

試験概要

・試験時間:60分

・大問6題

・設問30個

 

大問ごとの分析

第1問は、中世までの「会議」や「意思決定」の流れを軸に設問が構成されました。

いずれも資料がベースになっていて、そこでの丁寧な読解が求められました。

 

問1は、平安時代の会議についての読解問題です。

資料を丁寧に読み取れば、充分正答できる問題です。

知識はほとんど必要ありません。

 

問2は、鎌倉時代の評定衆についての設問です。

資料からどの情報を重要なものとみなし、解釈するかのスキルを問う問題でした。

 

問3は、室町時代の寄合からの出題です。

資料読解で裁判権の行使についての選択肢を導き出し、それに付随して村町時代の社会的な背景の理解を問う問題でした。

 

問4は、戦国時代の幕府以下のそれぞれの関係性を問うた問題です。

資料から事実を図解して答える形式で、構造的に思考するスキルが求められました。

 

○第2問

問1は、邪馬台国の近畿説についての設問です。

近畿説が提唱するロジックについての基礎的な知識と考察が求められました。

 

問2は、魏志倭人伝からの出題です。

これも元の知識よりかは、読解力が試された問題でした。

 

問3は、倭と百済の中国との関係性についての問題です。

資料から倭と百済の違いを見出し、歴史的背景も含めて考察する問題でした。

 

問4は、浄土信仰に対応する文化財の中で、そうでない文化財を選ばせる設問でした。

文化財の名前だけでなく、その文化財がどんな意味を持っているのかも含めて理解が必要です。

 

○第3問

問1は、下地中分が行われた時期について、選択肢にあるどの土地制度の動きの前後であるかを解答する問題です。

土地制度についての時間軸的な理解が必要となる問題でした。

 

問2は、下地中分の実態について、資料から考察する問題です。

 

問3は、提示された絵図から読み取れない情報について、解答させる問題でした。

何がわからないのかを理解するのも情報処理能力・論理的思考力の1つなので、他教科でもこのような切り口の設問は出てくる可能性はあるでしょう。

 

問4は、3種類のカードで示された情報から、仏堂の構造と仏像の配置の移り変わりを考察する問題です。

カードの情報を上手くイメージしながら考察する必要がありました。

 

 

○第4問

問1は、提示された年表の出来事について間違いを指摘する問題です。

戦国大名と江戸時代の大名の違いの理解が求められる問題でした。

 

問2は、大名と江戸の関係性について、資料から導ける仮説の整合性を問う問題です。

歴史的な背景をあらかじめ考えておかなければならず、ここでは上米の制についての理解が必要でした。

 

問3は、藩政改革について、背景と改革の内容、そして結果とを連動させた知識理解を問う問題です。

 

問4は、那覇市の昆布消費量の背景となる、近世の長距離の流通事情を選択させる問題でした。

このように現在も残っている慣習を、歴史的背景から説明させる問題は出てくる可能性はあります。

 

 

○第5問

問1は、ペリー来航をベースに、開国時の出来事の流れを問う問題です。

センター試験の時から引き続き、外交を絡めた問題は時間軸的な理解が必須です。

 

問2は、日米修好通商条約に対する2つの見解の根拠を答えさせる問題でした。

選択肢の内容はいずれも正しいので、出来事同士の因果関係を正しくつないで考える、論理的思考力を問う問題です。

複数の解釈があるということの提示から、歴史教育の本質に沿って作られている問題に見えます。

 

問3は、江戸幕府滅亡のターニングポイントになった出来事について、桜田門外の変と第二次長州征討をそれぞれ自由選択させて、幕府滅亡へのロジックを答える問題でした。

このように一時的に自由選択を求める設問は他の科目でも見受けられています。

 

問4は、帝国議会の開設の過程を表す資料から、それが暗に表す内容を推察させる問題でした。

 

問5は、考察を証明するために、どんな情報を補強すればいいのかを問う問題です。

調べ学習とロジカルシンキングといった、昨今の教育の流れを汲んだ問題でしょう。

 

○第6問

問1は、近代日本の産業を表すグラフから、歴史的背景も併せて読み取り・考察する問題です。

 

問2は、問1と同じグラフから、国内産業と貿易との関連を考える問題です。

グラフからの読み取りというよりは、事前の背景知識が正答へのキーになったでしょう。

 

問3は、世界恐慌後の日本の経済政策について、グラフの読み取りを前提に解答する問題でした。

 

問4は、美術作品が表す内容について、作品解説をヒントに考察していく問題です。

かなり丁寧に資料を読み込んでいく必要がありました。

 

問5は、戦後日本の辺境地域についてのごく基礎的な知識問題です。

 

問6は、戦後の経済について、外交を絡めた知識問題です。

正答率は低く出ましたが、戦後分野も授業で受ければおそらく理解は容易でしょう。

 

問7は、戦後日本の政治・経済についての標準的な知識問題です。

またいずれの選択肢も2つの出来事を因果関係で結んでいるので、物事の流れを意識した学習は必要です。

 

問8は、貿易の自由化に伴う、日本の食品産業について問う問題です。

特に知識がなくても、丁寧に資料を読めば正答できる問題でした。

 

大学入学共通テスト 2018年度試行調査総括

 

2018年度ののプレテストでは、2017年度のプレテストに引き続き、図版、史料、地図、グラフなど、情報量がセンター試験と比べて大きく増加しています。

これらをセンター試験と同じ60分で解答する必要があるため、1問1問を素早く解いていかなければなりません。

 

また、それによる読解問題も前回同様大きなウエイトを占めています。

史資料から時代背景、制度・政策の影響、またその史資料そのものの意義を問う問題が頻出しました。

 

そして知識問題に関しては、センター試験と同様、用語の内容の理解、事象の前後関係、因果関係を問うような問題が共通テストでも予測されます。

知識問題の難易度自体は大きな変化は見られませんでした。

センター試験と比較して覚える用語数を増やすなどの措置は必要ないでしょう。

 

全体的には、センター試験に比べて少し得点が取りづらくなったと考えていいでしょう。

 

大学入学共通テスト 2018年度試行調査の分析

brown seashore

 

続いて第2回の試行問題を、設問に沿って見ていきましょう。

大学入試センターのサイトに問題と解答が記載されているので、そちらも参照しながら読んでいただければ便利かと思われます。

大学入学共通テスト 平成30年試行調査

 

試験概要

・試験時間:60分

・大問6題

・設問34個

 

大問ごとの分析

○第1問

土地の開発や災害をテーマにした大問です。

問1は、提示された年表が、何を軸にまとめられたものなのかを答える問題です。

難易度は低めでした。

 

問2は、自然災害に対する各対応を、年表と対応させる問題です。

形式は違えど、センター試験でもよく見られた時期と出来事をリンクさせる問題です。

 

問3は、戦国大名の各施策について、選択肢内の整合性を問う問題でした。

 

問4と5は史料とグラフの読解問題になっています。

それぞれ、災害についての碑文、足尾銅山について取り上げられました。

プレテストではこのように、歴史資料からどのような考察・判断ができるのかを問う問題が多く出されました。

 

○第2問

古代の官道制度についての大問です。

4問全てが史資料の読み取りの問題でした。

問1は、写真と地図から、官道のつくりについて考察する問題です。

 

問2の⑵は、官道制度衰退の背景を問う設問でした。

このように物事の変化の要因を聞かれる設問は、センター試験から引き続き頻出になると思われます。

 

問3は、蝦夷と中央政府の関係性について、知識というよりかはその場での解釈を求める問題でした。

 

問4は、関についての複数の史料から、それぞれの関の機能を対応させる問題でした。

 

これもその場での解釈を問う読解問題でした。

 

○第3問

中世の海外からの影響を軸に大問が作られています。

問1は、提示した文から、対応する史料を選択させる珍しいタイプの問題です。

 

問2は新傾向です。生徒のレポートへの異論を見つける形式で、新しい設問でした。

歴史科目の本質を突くような設問でした。

 

問3は、史料の読解問題です。

13~14世紀の社会・経済について多角的に設問が構成されました。

 

問4も新傾向です。

1つの時代に対する多角的な解釈を問う、問2と似たようなコンセプトの設問でした。

 

○第4問

近世についての大問です。

ここでも様々な史資料から、適切に情報を解釈できるかが問われました。

 

問1は、近世の村に関する史料の読解問題です。

こちらはかなり丁寧に文を読み込まないと正答できない、手ごわい設問でした。

 

問2は、火星文化についてのオーソドックスな正誤問題と、小林一茶の俳句の解釈について問われました。

このように文化史料もどんどん考察・解釈問題に回されます。

 

問3はその資料がどうして作成されたのかを問う問題です。

このような切り口からの思考力問題もあるので注意です。

 

問4は政策の意義・背景を少し変わった切り口から問うてくる設問でした。

 

○第5問

近代日本の経済、財政、国際関係についての大問です。

 

問1は、松方財政の時期、内容の理解を問う知識問題でした。

 

問2では、松方財政によるデフレの長期化が国内にどのような影響をもたらしたかを考察する問題でした。

因果関係を考察する、思考力問題です。

 

問3は明治期の産業について、当時の状況を表す資料からの出題でした。

 

問4は、リード文の風刺画とその説明を受けて、同じ意を表す風刺画を選択する問題です。

風刺画で描かれている情報と歴史的事象を正しく連動させられるかがポイントになります。

 

問5は、日清講和条約に関する問題です。

提示された情報から過不足のない解釈が求められる、資料読解の問題でした。

 

○第6問

近現代の時代の転換をテーマに、事象や因果関係、またそれらの解釈を問う大問です。

 

問1は、夏目漱石についての標準的な知識問題です。

近代においての各作家の位置づけの理解が問われました。

単に人物名と作品名だけ覚えるのではなく、社会にどのような影響を与えたのかまでつなげて把握しておきましょう。

 

問2は、日露戦争後の日本人の意識を問う問題で、歴史の解釈をそれぞれ提示し、正しい根拠を選ばせる問題でした。

問3は事象同士の因果関係を問う問題です。正解率が低かったですが、どの時代にどんな出来事があったかということに加えて、出来事同士の関連性をしっかり把握しておくことが重要です。

問4は、民本主義についての知識の運用です。選択肢は全て民本主義を説明したものにはなりますが、設問に合わせて適切な論理を導く問題でした。

 

 

これまでのセンター試験

興味があれば、ついこの前まで行われていたセンター試験についてもぜひご覧ください。

共通テストを作成しているのも、センター試験時と同じく「大学入試センター」です。

そして出題者からして、現代社会という科目からどんな学びを得ていてほしいのかについてはそれほど大きく変わることはないと思われるので、直近のセンター試験も充分な参考素材になります。

センター試験で問われた知識や思考法が、ある程度は共通テストにも引き継がれるということを前提に、最近のセンター試験の傾向、そして本年度のセンター試験の内容を見ていきましょう。

 

概要

試験時間:60分

大問:6題

設問数:36個

 

センター試験の特徴

用語の内容の理解、事象の前後関係、因果関係を問うような体系的な知識が求められる問題がほとんどです。

内容的には教科書の基本事項を押さえておけばいいのですが、細かい情報から正誤を判断する問題があったり、消去法を重ねて正答しなければならない問題などもいくつか散見されます。

政治、外交、経済・社会、文化の各分野において、体系的な理解が必要になります。

 

2020年度 センター試験

woman flipping book page

 

それでは直近のセンター試験の問題に沿って見ていきます。

こちらも別のサイトに問題と解答が記載されているので、ぜひご参照ください。

参考:大学入試センター試験(2020年度) 問題・正答速報

概要

・試験時間:60分

・大問6題

・設問36個

 

大問ごとの分析

○第1問

教育をテーマにした大問です。

Aでは教育制度の変遷について問われ、Bでは歴史学習の意味を中心としたリード文から出題されました。

古代から近代までの文化史が問われました。

 

問1は、近代の教育制度についてです。学制、教育令など、どのようにして日本の教育の仕組みが作られていったのか、時間の流れを意識した学習が必要となりました。

 

問2は、2つの史料から、勧学院と金沢文庫についての知識を問う問題でした。

 

問3は、教育について幅広い時代からピックアップして、正誤が問われました。

 

問4は年代整序問題です。

中世から近世初頭の出来事を、知識をもとに論理的に並べ替える問題でした。

ここでは朝鮮侵略で日本が鉄砲を用いていたことを覚えておく必要がありました。

 

問5は普通の知識問題ですが、書物や研究の目的が問われています。

このように物事の背景や目的が正答のカギになるような問題は、センター試験でも頻出です。

 

○第2問

この大問では、奈良時代の中央政府の地方統治について出題されました。

 

問1は、奈良時代初期の九州・東北の支配についての空欄補充でした。

地理的な観点とともに出来事を理解しておく必要がありました。

 

問2は、各地域の時代背景を問う問題です。

知識の地理的、時間的な理解はセンター試験では必須です。

 

問3は、国府と城柵の遺構の図から出題されました。

下の注釈をきちんと読めば、基礎的な知識で正答できる問題です。

 

問4は、蝦夷と東北経営の拠点について、時間的、また地理的な理解が求められました。

少し難易度は高かったかもしれません。

 

問5は、徳政相論で蝦夷征討の注視の進言者と、三筆のうちの1人を答える問題です。

 

問6は史料の読解問題です。

注釈も含めて丁寧に読み込む必要がありました。

共通テストではこのように、史料から正しく情報を理解できるかが重要になってきます。

 

○第3問

中世の社会史についての大問です。

 

問1は、寺院と朝廷との対立についての設問です。

物事の流れの正確な理解が必要でした。

 

問2は、紀伊国の百姓が地頭を荘園領主に訴える史料から出題されました。

史料の文章から、登場人物同士の関係性の把握が求められました。

 

問3は、地方の宗教や商業について出題されました。

正解の選択肢になった日明貿易周辺の知識は頻出事項なので、ぜひ押さえておきたいところです。

 

問4は、中世の武士に関しての正誤問題です。

悪党や地侍などの知識が求められ、悪党と幕府との関係性が正解のポイントとなりました。

 

問5は、戦国大名の領国支配に関しての設問です。

指出検地の正しい理解が求められました。

 

問6は中世から近世初期までの流通経済についての年代整序問題です。

特に経済史は時間軸的な理解、また時の政治・外交との関連を意識しながら学習することが必要です。

 

 

○第4問

近世の経済史、産業史について出題されました。

問1は、銀山の地理的な理解、相対済し令の背景について問われました。

 

問2は、近世初期の外交の年代整序問題です。

この時期の外交・商業についての時間軸的な理解はセンター試験問わずよく問われます。

 

問3は、近世の貨幣についての幅広い知識が問われました。

 

問4は、近世の技術の反転について出題されました。

政治・外交とからめた体系的な知識が必要となりました。

 

問5は、近世の村、農業について問われました。

この分野は時代の流れや地域とセットで覚えておくと便利です。

 

問6は、鳥取藩の鉄穴流しについての史料問題です。

知識問題というよりは読解問題で、精緻に読み解かないと正答できなかったと思われます。

 

 

○第5問

この大問では、幕末から明治前半までの近代史について広く出題されました。

 

問1は、アメリカとの条約と明治初期の民衆運動について問われました。

条約の内容や政治結社の区別は必須知識です。

 

問2は江戸幕府の経済政策について、施策の狙いや影響についての理解が問われました。

幕府・政府の意思決定の当初の目的やその後の影響は、つなげて理解しておきましょう。

 

問3も年代整序問題です。

特に民衆運動は時代背景の理解が重要なので、このように時間に絡めた出題が多いです。

 

問4は、加波山事件・大阪事件と同時期(1884~1885年)の出来事を選択する問題です。

明治期は時間の流れを意識した学習が特に求められます。

 

 

○第6問

問1は、民権運動と政府の取り締まりについての出題です。

法令や事件の内容、またそれらの時系列的な理解が求められました。

 

問2は、各戦争とそれに連れられた記者を時系列順に並べ替える問題でした。

人名をヒントにするのではなく、戦争の時期に沿っていけば征討できます。

 

問3は、日露戦争後の外交についての出題です。

日露戦争の前からの外交の動きについて、流れにそって理解しておく必要がありました。

 

問4は、第一次世界大戦による好景気から、産業を中心に出題されました。

どの時代にどんな産業が発展したのかの知識はぜひ覚えておきたいところです。

 

問5は、大正デモクラシーの思潮についての問題でした。

主張の提唱者、掲載された書籍、主張の内容をつなげての理解が必要でした。

 

問6は、大正期の政治・社会について幅広く問われました。

出来事を時期に沿って理解できているかを測る問題でした。

 

問7は、女子挺身隊と国民徴用令に関する正誤問題です。

太平洋戦争時の国民の動員について、基礎的な知識が問われました。

 

問8の史料問題は、風刺画を用いた問題です。

農地改革の目的・狙いを抑えておく必要がありました。

 

 

共通テスト特有の問題 ここがセンター試験とは違う

 

ここで、これまでのセンター試験では出されなかった、共通テスト特有の形式の問題を再度紹介します。

第2問の問4を挙げましょう。

「史料読解」「年代整序」を組み合わせた問題です。

古代、中世、近世の関所についての史料がそれぞれ示され、そこから導ける関所の機能、また史料がどの時代のものなのかを考え解答するものです。

まずは、3つの提示史料を丁寧に読み解いていく必要があります。

前半部分の関所の機能に関しては、読解だけで選択肢を対応させられると思います。

そして年代整序は、時代背景をセットにした知識が必要になりました。

このように、丁寧な史料の読解が必要になる問題、また、大局的・体系的な知識理解を聞いてくる問題が中心に構成されると思われます。

 

共通テストに向けた対策

 

まずはこれまで通り、歴史を大局的に、また体系的に理解していくことが大切です。時代の大きな流れを把握したのち、各時代ごとの政治や文化に対し、事象ごとのつながり(背景、影響など)を意識しながら吸収していきましょう。特に外交や産業・経済を絡めたような問題は、時間の流れとセットで理解しておくことが必須です。ここを意識した学習が、読解問題へのアプローチにもつながっていくでしょう。

初学者には、『金谷の日本史 「なぜ」と「流れ」がわかる本』がおすすめです。滑らかな講義調で文章が書かれていて、かつ「表解」で出来事の流れや登場人物との関係性が非常にわかりやすく整理しているので、日本史の「核」の部分を理解するのに最適な参考書です。情報がコンパクトに整理されているので、まず大局的に歴史を理解したい段階の高校生には最適でしょう。ただ上記で述べたようにあえて情報量は抑えてあるので、試験本番で高得点を狙うのは難しいです。私立や国公立二次で日本史を使う方、また共通テストで8割以上の高得点を狙いたい受験生は、『石川晶康 日本史B 講義の実況中継(語学春秋社)』でなら、歴史の流れ、物事の因果関係を理解しながら十分な量の知識を身につけることができます。

そして、史資料問題対策です。これも史資料の語句を丸暗記で覚えても特に意味はありません。誤読しないよう、まずは時代背景を理解し、重要語句を史料の中で探してみましょう。そしてそこにどんな情報が書かれていて、そこからどんな考察が可能なのかを都度考えるようにしましょう。参考書では、『日本史史料問題一問一答 完全版』で経験値を積めるでしょう。

 

なお毎年センター試験の第4問では初見史料の問題がよく出題されていたので、そこで練習してみるのも1つの手です。また、歴史の解釈についても自分から日々前のめりに、多角的に、論理的に考察してみましょう。

 

 

これまでいくつか具体的な例を書きましたが、共通テストの日本史で意識すべき点は3つあります。

 

1 歴史を大局的に理解し、「なぜ?」と考える力を養ってください。

 

今回の共通テストの施行調査等では、知識を活用して、思考力や判断力が問われる問題が複数出題されました。

そのため、1つの事象に対しても「なぜ〇〇なのだろう?」と考える必要があります。

 

2 史資料の読み取りなどをする力を養ってください。

 

共通テストでは史資料を読み取らせる問題が多く出題されます。

そのため、日本史に登場する重要語句を覚えることはとても重要ですが、それだけにとどまらず、資料から読み取る力を養いましょう。

 

3 歴史の解釈についても日頃から考える癖をつけましょう。

 

今回の共通テスト試行調査では、生徒が書いたレポートを題材にディスカッションする形式の問題もありました。

この問題では、この資料から読み取れない問題をみつける問題も出題され、複数の解釈について考えさせる問題だったと言われています。

日頃から歴史の解釈について、「他の見方もないか?」考えるくせもつけましょう。

 

共通テスト 日本史のまとめ

 

共通テストの日本史について、少しは展望が見えたでしょうか。

センター試験の過去問を見たことのある人にとっては、共通テストに移行するにあたって、内容が大きく変更されるということが見て取れたと思います。まずは、読解力や思考力が求められる問題、そして、史資料を用いた問題が大幅に増えました。

ここは他の科目でも同様の傾向が見られます。そいて知識問題は、引き続き時間軸などを意識した体系的な理解が求められます。

常日頃から物事に対して多面的な思考をすることを心掛けて、基礎的な思考力を養っていきましょう。

なお以下の記事では、まだ受験に時間が残されている高校1・2年生を対象に、共通テストに向けての長期対策について解説しています。ぜひ一度目を通してみてください。

【地歴公民編】高1、高2だからできる、共通テストに向けた準備とは



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